『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
============================================
“内科医が推奨する『FoodTherapyMD』”
内科医実務経験20年のStacy Mitchell Doyle薬学博士が、新しいオンラインコミュニティー『FoodTherapyMD』を立ち上げた。
『FoodTherapyMD』は、Webベースの教育リソースで、エビデンスに基づく植物中心の栄養教育を通して、患者の健康改善に役立つよう設計されたもので、糖尿病、心臓病、発作などの慢性病に苦しむ人、がんと診断された人たちに、補足的で代替的な治療方法としてサポートするプラットフォームである。
Doyle博士は、原因ではなく、症状の治療に焦点を当てる医療システムに対する不満からこのサービスを考案した。
Doyle博士は、「私は、めまいや無気力、腎不全や肝不全といった薬の副作用が、患者の健康全体に劇的に影響する様子を目にしてきました。例えば、高血圧薬によるめまいは転倒につながる可能性がありますが、これにより、お尻を骨折して外科手術、さらに感染…といった具合につながっていました。そのひとつひとつの症状は治療されていますが、高血圧の本当の原因は対処すらされないのです。
これは狂気だと思いました。患者を癒し、治療するもっといい方法があるはずです。根幹的な対処として、栄養士とともに植物ベースの食事療法に取り組んだ結果、最終的に移植リストから除外されたという、肝不全で治療していた私の患者との経験が、薬中心のヘルスケアから、代替策への追求していくことへの転換点となりました」と述べた。
「米国の医療教育は、病気を治療するために深まる薬への依存を助長しています。こうした企業の影響は、メディカルスクールのまさに初日から始まっており、薬は治療のなかで役割はあるかもしれませんが、決して医者のツールキットのなかで第一や唯一のツールであってはならないのです。医者は、食事と健康の関係や、病気予防のため、それどころか病状を良くするために栄養を利用する機会についてさえ、訓練を受けていません。『FoodTherapyMD』は、エビデンスに基づく栄養による治療を用いて、健康への持続可能な道を提供するためのソリューションなのです」と付け加えた。
記事原文はこちら(『mHealthWatch.com』2017年6月30日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
============================================
『mHealth Watch』の視点
医療において、患者がどの段階でどのような食事を摂るのかは大切なことであり、栄養士による治療の経過に合わせた提案は欠かせません。
今回取り上げた『FoodTherapyMD』は、もっと根幹的な部分から解決していける食事のあり方に着目したサービスです。
『FoodTherapyMD』は、植物由来の栄養素を活用したメソッドを導入しています。植物によって、
1, 体内の酸化を抑える
2, 血管や器官の炎症を抑える
3, 免疫力を高める
4, 細胞の酸化による損傷を排除する
5, がんの原因物質を排除する
を達成させるものです。
これら5つのアプローチは、健康番組などで、個別にではありますが知ることがあります。しかし、知り得た情報で、取り入れやすいものをやっているに過ぎないため、本来の効果までは結びつきにくいとも言えます。
『FoodTherapyMD』は、エビデンスに基き、疾患に合わせた療法として提供しているサービスです。何となく民間療法を取り入れることより、効果に貢献する可能性は遥かに高いと言えます。
モバイルヘルスの役割のひとつである「情報薬」の視点からも、このようなサービスが今後注目されると思われます。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
Comments are closed.