『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「
今回注目したニュースはこちら!
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“デンタルフロスの習慣を手助けする『Strand』、電動歯ブラシ開発のQuipが発売”
電動歯ブラシの発売で事業を開始したデンタルスタートアップのQuip社が、歯ブラシ以外の最初の製品をローンチした。『Strand』と呼ばれるこの製品は、詰め替え可能なキャニスター(容器)つきのデンタルフロスだ。
ストランドは金属製のキャニスターが20ドル(約2,200円)、詰め替えのフロスは5ドル(約540円)で、フロスには18インチ(約46cm)ごとにあらかじめ印がつけられており、毎回使う分量を知ることができる。QuipでCEOを務めるSimon Enever氏がTechCrunchに語ったところによると、『Strand』はQuipが歯ブラシを発売する前から開発が続けられていたという。
「繰り返しになるが、我々の使命はオーラルケアとデンタルフロスの習慣を支援することで、これはパーソナルケア事業に関する自然な次のステップだった」とEnever氏は語る。「デンタルフロスには悪い習慣を持つ人や、使用しない人もいる。基本的なケアを正しく理解していない人が非常に多く、1日に1回デンタルフロスを使用する人はさらに少なくなっている。しかし我々にとっては、デンタルフロスはブラッシングと非常に密接に結びついている。正しい口腔ケアの結果を得る唯一の正しい方法は、デンタルフロスとブラシの両方を使うことだ」。
『Strand』の狙いは、実際に人々がデンタルフロスをしたいと思わせることだ。そのために、Quipは『Strand』を外出先へと簡単に持ち運べるようにポケットに入れやすいようにデザインした。
「私たちの研究からは、人々が外出先でデンタルフロスを使いたいということが判明した」とエネバー氏は語る。「デンタルフロスを持っていないのに、使いたい。そんな需要に応えて、ポケットの中に快適に滑り込ませられる製品の開発に取り組んだ」。
これまでにQuipはSherpa Capital、TriplePoint Capital、NFP Venturesなどから6000万ドル(約65億円)以上の資金を調達している。
記事原文はこちら(『TechCrunch Japan』2019年10月30日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、電動歯ブラシの発売から事業を開始したデンタルスタートアップのQuipが、詰め替え可能なキャニスター(容器)つきのデンタルフロスを発売したというニュースです。
このキャニスター(容器)つきのデンタルフロス『Strand』の特徴は、デンタルフロスを毎回使う分量を知ることができる目印が付いているという点、そして外出先へと簡単に持ち運べるようにポケットに入れやすいデザインです。
外出先に簡単に持ち運べるようにポケットに入れやすいデザイン性にこだわったのは、デンタルフロスを習慣化して欲しいというQuipのミッションが大きく関係しています。
Quipとして、正しい口腔ケアの結果を得る唯一の正しい方法は、デンタルフロスとブラシの両方を使うことだと位置付け、先行してリリースしている電動歯ブラシよりも前からこのデンタルフロスの開発を続けてきています。
デンタルフロスを継続的に使用して習慣化するためのアプローチとして、アプリとの連携やICTとの連動など、いろいろな切り口、可能性は考えられます。
しかし、Quipでは外出先でデンタルフロスを使いたいというユーザーニーズをしっかりと捉え、そして習慣化させるためには、デジタルとの連動やインセンティブなどのアプローチではなく、フロスを使う環境作りにアプローチし、ユーザーの目の前にある立ちはだかるハードルの解決に向けて、持ち運べるデザインにこだわったのです。
健康行動の習慣化をサポートすることをミッションに掲げ、その習慣化をサポートする目的としてまずは「持ち運びたくなるデザイン」にこだわった商品開発は、健康行動の継続化、習慣化を実現するためのサポートとしては参考になる切り口です。
いかにして使ってもらえる、行動をしてもらう環境を作り出すかということも、健康行動の習慣化には必要な視点の一つです。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、
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