『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Amazon、手首装着型アクティビティトラッカー『Halo』とメンバーシッププログラムを発表”
Amazonは、『Halo』という名のまったく新しいメンバーシッププログラムを開始した。特別リクエストを通して早期アクセスが開始されたこの『Halo』サービスには、6カ月で64.99ドル(約6,950円)のメンバーシップの中に、サービスそのものと新しい手首装着型アクティビティトラッカー『Amazon Halo Band』が含まれている。Amazonは、それが一般公開されるときには、標準的な価格は99.99(約10,700円)ドルになる予定だとしている。
『Halo』は、スマートフォンのカメラと『Amazon Halo』アプリだけで、体脂肪率を含む包括的な健康指標を、標準的なヘルストラッキングガジェットやアプリよりも多く提供しようとするものだ。同社は、コンピュータービジョンと機械学習における独自の先進技術を利用して、こうしたことを可能にしたと述べている。Amazonは、アップロードされた写真を、ディープニューラルネットワークベースを使って処理することで、利用者の身体を背景から分離し、体脂肪の「ホットスポット」と呼ばれる体脂肪率を測定しやすい場所を分析して、体の3Dモデルを生成する。そこで利用者は、スライダーを使用して体脂肪率を上下に調整することで、体脂肪の増加または減少が体型にどのような影響を与えるかを確認することができる。
『Amazon Halo Band』は、小型で優美な手首装着型のデバイスで、活動量、皮膚の温度、睡眠状態(REM、浅い睡眠や深い睡眠など)などを含むその他の健康指標をキャプチャできる。デバイスは加速度計、心拍数モニター、2つのマイクを備え、耐水性がある。内蔵バッテリーは90分の充電で最長1週間持続し、スタイルを切り替えるためのさまざまなバンドアクセサリーと互換性がある。
活動量、睡眠、体脂肪率に加えて測定するもう1つのユニークな指標は「Tone」(トーン、声調)と呼ばれるものだ。これが、『Amazon Halo Band』にマイクが搭載されている理由だ。それは利用者の声をモニタリングし、機械学習を適用して「エネルギーや積極性」などの要因を決定する。Amazonはこれによって、たとえば、「難しい仕事の電話が、家族とのコミュニケーションにおける積極性の低下につながるかどうか」といったユニークな洞察を提供できるようになると述べている。
記事原文はこちら(『TechCrunch』2020年8月28日掲載)
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『mHealth Watch』の視点!
ついにAmazonがウェアラブルデバイスを発表しました。スマートウォッチ化が進むご時世に、画面が一切ない腕に巻くデバイスで勝負してきました。ある意味、Amazonレベルの注目度がなければ選択できない試みです。
活動や睡眠など、カラダのデータと「Tone」と呼ばれる声調の組み合わせによる提案がキモになってくるようですが、何ができるのかは全くわからない状況でデバイスが発売されたことになります。
これはイノベーターを獲得し、新たな文化作りからはじめる戦略と言えます。このような戦略は、長期戦で挑むと割り切らないと取り組むことができません。
基礎データはもちろん取っていて、今後のストーリーも計画されているのでしょうが、顧客レベルの反応はデータを取ってから分析し、イノベーターである顧客の反応を見せて、次に興味を持った人たちを巻き込むように仕掛けることが予測されます。
新規ビジネスとして潤沢な予算があるなら、魅力的なアプローチ法と言えるでしょう。
しかし、これが新規ビジネスの理想の進め方と誤解してはいけません。ある程度短期間で収益を得たい人がマネしていいものではないので、まずは冷静に動向を見ていきましょう。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、本質的健康経営の社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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