『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「
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“平成27年度 特定健康診査・特定保健指導の実施状況”
~特定健康診査の実施率が50%を超えました~
平成27年度の「特定健康診査・特定保健指導の実施状況」をとりまとめましたので公表します。
これは、平成20年度から、40〜74歳までの被保険者と被扶養者を対象に、メタボリックシンドロームに着目した健康診査・保健指導を実施することが、医療保険者に対し義務付けられたことから、厚生労働省において、保険者からの実施状況に関する報告内容を精査し、毎年度の実施状況を取りまとめるものです。
1.特定健康診査の実施率
・特定健康診査の対象者数は約5,396万人(平成26年度約5,385万人)、受診者数は約2,706万人(平成26年度約2,616万人)。
・実施率は50.1%(平成26年度と比べて1.5ポイント向上)。
2.特定保健指導の実施率
・特定保健指導の対象者※1 数は約453万人(平成26年度約440万人)で、健診受診者に占める割合は16.7%(平成26年度16.8%)。
・特定保健指導の終了者数は約79万人(平成26年度約78万人)で、保健指導対象者に占める割合は17.5%(平成26年度と比べ0.3ポイント減少※2)。
※1 特定健康診査の結果から、生活習慣の改善が必要とされた人を指します。
※2 平成27年度特定保健指導実施率の低下は、全国健康保険協会において、不審通信への対処のため、約1年間、協会けんぽのシステムについて、ネットワーク接続を遮断したこと等により、健診結果のデータをシステムに効率的に登録することができず、初回面接の件数が大きく落ち込んだことが影響しています。
3.メタボリックシンドロームの該当者と予備群の減少率
・メタボリックシンドロームの該当者及び予備群は、平成20年度比で2.74%減少。
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するニュースは、平成27年度の特定保健指導に関して、厚生労働省が公表したデータについてです。
平成20年からスタートした特定保健指導ですが、実施率はもちろん、成果という部分でもなかなか当初の期待どおりの結果になっていないのが現状です。
実施率の低さに対して厚生労働省として、後期高齢者支援金の加算率の段階的な引き上げなどといったペナルティも行なっていますが、ここ数年の実施率のついては横ばいという状況です。
平成27年のデータで見ていくと特定保健指導の対象者に約453万人という数字です。そもそもの特定健診の実施率が50.1%で、2,706万人のうちの約453万人特定保健指導の対象者という状況です。特定健診を実施した人のなかの16.7%が特定保健指導の対象者ということです。
また、約453万人の特定保健指導対象者のうちの17.5%、約79万人しか、特定保健指導を終了していないということです。79万人という人数は大きいとはいえ、特定保健指導対象者のうちの17.5%しか終了していないのです。
さらに、この終了した79万人のうちどれだけが改善をして、且つ改善したままも維持できているかというと、さらに数字は少なくなっているのは確実です。
また、特定保健指導の年代別の実施率で見ると40~44歳が14.8%ともっとも低い状況です。
特定保健指導の実施方法についてはレギュレーションがあるためプログラムの大幅な改善はできないのも事実です。また費用を負担する保険者の財政面の観点からも、手厚い寄り添いなどによる費用負担の増加はなかなか難しい現状です。
しかし、ICTの活用、モバイルの活用などによる適応条件の中での効率化や寄り添いの充実などはまだまだ改善の余地はあるような気がしてします。
来年度から特定保健指導は、第3期特定健康診査等実施計画期間(平成30年度~35年度)に入ります。
当初の国が掲げる目標値は、特定保健指導の実施率は45%だったと思います。実施率を上げて尚且つ終了者を増やし、最終的には改善した人を増やすためには、やはりICTの活用、モバイルの活用は必須だと思います。
特に現在、実施率が低い40~44歳の若年層には、ICTの活用、モバイルの活用をきっかけにしたアプローチは有効だと感じています。
特定保健指導の対象者は約453万人で、決して小さくない数字です。
しかし、対象者約453万人のうち17.5%、約79万人しか特定保健指導を終了していないのがこの特定保健指導の難しさです。来年度からの第3期特定健康診査等実施計画期間では、ICTの活用、モバイルの活用など、新たなプログラムによる効率化や成果にこだわったプログラムなど新しい展開を期待したいです。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、
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