『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「
今回注目したニュースはこちら!
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“「法人向けビジネスが伸びている」とFitbit社”
ウェアラブル端末の健康経営での活用事例や医師からの期待とは…
「法人向けのビジネスが伸びている」ウェアラブルデバイスを手掛ける米Fitbit社 副社長兼アジア太平洋地域事業部長のSteve Morley氏はそう語る。具体的には、従業員の健康を管理することで生産性の向上を図る健康経営の領域でウエアラブルデバイスの活用が進んでいるというのである。
では実際に、健康経営の現場ではウェアラブルデバイスはどのように活用されているのか。フィットビット・ジャパンが2017年9月14日に開催した健康経営セミナー「Fitbit Wellness and Healthcare Network Conference」では、いくつかの事例が紹介された。
全被保険者の2/3が申し込み
その一つが、三菱自動車健康保険組合の事例である。同組合では、Fitbit製のウェアラブルデバイスを従業員に配布し、歩数に応じて付与するポイントをギフトカードに還元するサービスを2017年10月に開始する。サービス開始に先立ち、同年4月から希望者にウェアラブルデバイス貸与の受付を開始したところ、現在までに全被保険者の2/3以上に当たる約1万人の申し込みがあったという。
このサービスを手掛けたのは、富士通エフ・アイ・ピーである。今回のサービス構築に当たっては、健康への関心が低い層を取り込むことを重視したという。セミナーに登壇した同社 公共社会統括営業部の鈴木恭彰氏によると、健康増進に向けた活動への参加を妨げる要因としては、(1)煩わしさ、(2)目的不明確、(3)やらされ感、の3つが考えられるという。
記事原文はこちら(『日経デジタルヘルス』2017年9月28日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するニュースは、健康経営の領域でウェアラブルデバイスの活用に関してです。
企業の健康経営への関心の高まりから、企業の健康経営に向けた具体的なサービスも拡がっているように思います。
これまで企業、職域に向けたヘルスケアのサービスと言えばハイリスクアプローチとしての特定保健指導やポピュレーションアプローチなどが中心で、その際の費用の出処は健保組合の予算という枠組みでした。
しかし、「健康経営」の取り組みにおけるサービスでは、企業自体が予算を確保して負担することになってくるため、これまでとはサービスの内容、費用ボリュームはもちろんアプローチも違ってきている状況です。そのため今回のニュースにあるように、「健康経営」に向けた取り組みとして「ウェアラブル」の活用は増えています。
採用する企業にとって「ウェアラブルデバイス」を活用することで以下のようなメリットがあります。
・これまであまり健康に興味関心を示さなかった若年層、無関心層の人でもウェアラブル機器によって参加してもらえる可能性が高まる
・データの収集のハードルが低いため、データの見える化はもちろん把握、分析が可能になる
企業にとっては上記のようなこれまでの課題がウェアラブル機器の活用によって解決できます。
しかし、ウェアラブル機器とアプリを配れば継続して使ってくれるかというと、そんな簡単な話ではありません。
BtoCの市場でもウェアラブル機器を自ら購入した人、言い換えればかなり意識の健康意識が高い人でさえもウェアラブル機器を継続して装着している人の率は、決して高くないのが実情であって、fitbitをはじめウェアラブル機器の販売が鈍ってきているのは、やはり継続率の低さも要因の一つでもあります。
今回のニュースの中でも、ウェアラブル機器を配っただけではなく、継続していくための仕掛けや仕組みをしっかりと入れて継続率を高める工夫をされているように、ウェアラブル機器はきっかづくりとして機能させて、その後はアプリはもちろんリアルなイベントなど、ある意味「手間」を掛けて飽きさせないことが必要なのです。
ウェアラブル機器とアプリを配っただけでは、意識が変化して行動変容が起きる人は一握りであって、多くの人の腕からウェアラブル機器は外されていくことを前提に、健康経営に取り組む企業はウェラブル機器を取り入れたサービスというものを見ていくべきだと思います。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、
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