『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「
今回注目したニュースはこちら!
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“禁煙を始める前にまず、タバコについて考える『ascure Starter』 提供開始”
医療機関向けの「治療アプリ®」の研究開発およびその開発知⾒を活⽤した法⼈向けモバイルヘルスプログラムを提供するCureApp社は、「禁煙に興味はあるもののなかなか実⾏に移せない」社員・被保険者・住⺠が、まずはタバコについて「考える」ことからサポートする、法⼈向けWeb サービス『ascure Starter(アスキュアスターター)』の提供を開始します。喫煙者のタバコに対する認知・考え⽅を⾃⾝で⾒つめる機会を提供し、禁煙する動機を明確、強固にすることで、禁煙に取り組む挑戦者を増やしていくプログラムです。
【禁煙を広めたい法⼈(企業、健保組合、⾃治体など)の課題】
喫煙者の60%は、「禁煙について興味はあるものの、なかなか実⾏に移れない」関⼼期と呼ばれる状態にいると⾔われています。関⼼期にいる⼈は、実際に禁煙⾏動をとる⼈が少なかったり、効果的な施策が存在しなかったりするために、なかなか禁煙に挑戦することができずにいます。関⼼期にいる⼈たちに禁煙への⼀歩を踏み出してもらうためには、禁煙を強制するのではなく、⼀度タバコについて考え、⾃ら「禁煙したい」という動機を⾼めることが⼤切であると⾔われていますが、そうした機会を未だ全⼈⼝の20%弱と⾔われる多くの喫煙者に広く提供できる施策は⼗分に存在しませんでした。
プレスリリースはこちら(株式会社CureApp、2019年12月16日発表)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、禁煙を始める前にまずタバコについて考えて禁煙に向けた動機を高めるためのプログラム提供のニュースです。
企業、健保組合、⾃治体などの職域や団体では、「健康」に対して意識が異なる、レベルが違う人達が混在しています。この意識や改善意欲が異なる人達に対して、1つのアプローチだけで提供しても、必ずしもフィットするとは限りません。
例えば、記事の中で紹介していますが、行動変容ステージで、「無関心期」の人達と「実行期」の人達では、興味を示す情報も違えば必要なサポートも違うのです。このように行動変容ステージが異なる人達が存在する集団であることや集団としての課題を把握せずに、1つのアプローチだけで健康施策に取り組んでも、企業、健保組合、⾃治体での健康施策は、上手く回っていきません。
また、行動変容ステージでいう「無関心期」「関心期」の人達が健康施策に意欲的に参加してくれないことは、集団、組織として健康施策を提供する時の大きな課題でもあります。
やはり、「無関心期」「関心期」の人達にとっては、健康施策の入り口である「動機」が重要なポイントになってきます。しかし、この人達にとっての「動機」として、「健康」というキーワードは響かないのです。
今回のニュースの禁煙を始める前にまずタバコについて考える『ascure Starter』 では、行動変容ステージの「関心期」の人達の動機を高め、⾃ら「禁煙したい」という気持ちに引き上げるプログラムです。
また、このプログラムでは動機付け⾯接の⼿法が取り入れられているとのことです。
BtoBtoEなど、企業、健保組合、⾃治体向けのヘルスケアサービスでは、行動変容ステージでいう「無関心期」「関心期」の人達の対策には、正直解決策が見いだせていない状況です。しかし、行動変容ステージの「無関心期」「関心期」の人達こそ、早めにアプローチして取り組んでもらわないと、企業、健保組合、⾃治体など、集団、組織としての「健康度」は高まっていきません。
行動変容ステージの「無関心期」「関心期」の人達に興味をもって取り組んでもらうには、1つのアプローチでは到底難しいとは思います。今回のニュースの動機を高めるためのプログラム提供もアプローチの1つです。
この行動変容ステージの「無関心期」「関心期」の人達と真剣に向き合うヘルスケアサービスこそが、今後のBtoBtoEなど企業、健保組合、⾃治体向けのヘルスケアサービスの勝ち組になる条件であることは間違いないと考えています。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、
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