『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「
今回注目したニュースはこちら!
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“パナソニック、国立循環器病研究センターと軽度認知障害(MCI)の早期発見に関する共同研究を開始”
パナソニック ライフソリューションズとグループ会社であるパナソニック エイジフリーは、国立研究開発法人国立循環器病研究センターと共同で、軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment、以下:MCI)の早期発見に関する医学的エビデンスに基づいたモデルケースの構築を目指す研究を開始します。
認知機能低下の初期段階であるMCIは、早期に発見し適切な対応を行うことで、認知機能の向上・維持、低下の遅延ができると言われています。
今回の研究では高齢者向けウェルネス住宅「patona吹田健都(事業主:パナソニック ホームズ)」内に2020年2月1日に開業する「エイジフリーハウス吹田健都プレミア」のサービス付き高齢者向け住宅において、居室のテレビやトイレなどにセンサーを搭載し、いつ使用しているかや、どのようにリモコンを操作しているかなどを把握。また、ドアの開閉と電力使用の状況を当社のIoTの基盤システムである『AiSEG(アイセグ)』を通じて収集・蓄積することで、総合的に生活リズムを把握します。匿名化されたそれらのデータと定期的に取得する医学的診断を照らし合わせながら、日常生活習慣の特徴と認知機能の変化の相関性について、当社と国循が共同で多角的に分析します。継続的に分析を行うことで、日常生活における行動の特徴と認知機能の変化の相関性についての医学的エビデンスに基づいたアルゴリズムの開発を目指します。
また、国循の脳神経内科部長 猪原匡史氏の知見を取り入れながら、配置した各種住宅設備や時間帯ごとに自動で光の色や明るさを調整する照明など、施設内の環境が入居者に与える効果の検証およびエビデンス構築を目指します。
今回の研究を通じて、当社は将来的に介護医療連携の仕組みの構築や、医学的エビデンスに基づいた認知機能の評価システムやサービスの開発を行い、他社介護サービス事業者などへ提案していくことを目指します。
当社は今後もパナソニックグループの総合力を生かした先進的な取り組みにより、社会課題の解決に取り組んでいきます。
プレスリリースはこちら(パナソニック株式会社、2020年1月21日発表)
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、パナソニックが国立循環器病研究センターと共同で、軽度認知障害(MCI)の早期発見を目的として研究を開始したというニュースです。
認知機能の低下は、早い段階で発見し適切な対応を行えば、認知機能の低下の進みを緩やかにができると言われています。
しかし、認知機能低下やMCIの発見では、明らかな所見を周囲の人が発見してから診断されることが多いです。MCIでは、明らかな所見を周囲の人が発見する前に、その人の生活習慣や行動に表れている認知機能の変化を発見することが重要です。
今回の共同研究では、その認知機能の変化を高齢者の生活習慣や行動、パターンなどの情報から明らかにしていく取り組みです。
高齢者の生活習慣や行動、パターンのデータを収集する取り組みでは、ウェアラブルの装着や生活の中に新たな機器が組み込むまれるなど、データ収集のために高齢者に負担を強いることが多かったです。
しかし、今回の共同研究では、IoT機器を活用し、テレビやトイレなどでのセンシングやドアの開閉や電力使用などのデータなど、高齢者はこれまでの生活を変えることなく、普段の生活、行動からデータが収集されるため負担が少なくて済むのが特長で、パナソニックらしいアプローチとも言えます。
様々な形でデータを収集して、そのデータから次のアプローチや次の商品へ。という取り組みをよく目にしますが、最初の一歩である「データの収集」でつまずいてデータが集まらず、その先の展開に進めないパターンが多いのも事実です。
「データ」を活用して次の展開に繋げていくビジネスモデルを描く際には、まずはデータが集まるかどうかをしっかりと検討することが最初の一歩なのです。
今回のMCIの早期発見を目的としたデータ収集のアプローチは、自然な形でデータ収集する参考になる事例だと感じています。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、
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