『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“ニチレイ、「食の好み」分析システム『conomeal(このみる)』開発”
ニチレイは、個人の食の好みを分析し、それぞれの好みにあったレシピや情報提供を可能にする食嗜好分析システム『conomeal(このみる)』を開発した。
食品メーカーとしてニチレイは、食に関するさまざまな研究を行っているが、そのなかでも美味しさについては、味、香り、食感といった品質が及ぼす影響のみならず、心理的な影響から個人差が大きく、個人の味の好みを定量化することは難易度が非常に高いものだったという。
これまでも心理的な影響については、心理計量学(サイコメトリクス)を用いた研究を行い、品質の影響については、「MS Nose」の2つの技術をはじめとする独自の手法を組み合わせて、美味しさの見える化に取り組んできた。これらの知見をAIに組み込んで開発したのが『conomeal』だ。
『conomeal』は、個人の食意識、気分、環境から、食の好みをAIが分析し、個人に合う食を提案する。好みを診るという意味と、食事を意味するmealをかけあわせて“conomeal”と名付けた。
具体的なサービスとして個人向けに開発したものが、つくりおき献立を提案する『conomeal kitchen』というスマートフォン用アプリだ。日々の献立作りや食材の買い物、調理の効率化を図るため、“つくりおき”に着目して企画したという。9月末にベータテストを実施予定で、テストユーザー募集については改めて案内するとしている。
記事原文はこちら(『CNET Japan』2020年8月4日掲載)
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『mHealth Watch』の視点!
食の好みに合わせてメニュー提案をしてくれるサービスが登場します。AIによってある程度の学習期間は必要とは言え、好みを踏まえてつくりおき献立提案までしてくれたら、日々の献立に頭を悩ませている多くの主婦にとっては、ありがたいものになるのではないでしょうか?
現状のプレスリリースではまだわかりませんが、今後、栄養バランスを考えた提案もあり得るでしょう。さらにはダイエットしたい人向けに、好みや満足感を意識したメニュー提案もあるかもしれませんね。
まずは好みの提案をして、すぐ食べたいと思い、実際に食べることで満足感を得る一連の流れが、「もう手放せないツール」と言えるものになるのか?「好みではあるけど、今食べたいわけではない」で終わってしまうのか?このあたりが一つ目の壁になるかもしれません。
「もう手放せないツール」とは、その人の文化レベルになることですので、そこまで来ると健康提案なども現実味を帯びてきます。
このような新しい取り組みでは、どのようにすれば当たり前までなれるのかが、今後持続するのかの鍵になるのではないでしょうか。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、本質的健康経営の社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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