スマートフォンの活用方法を研究した結果、なんと外科手術中にスマートフォンを使用していると気持ちが落ち着き、鎮痛剤としての効果を発揮することが判明した。
ヘルスケア・医薬品研究機関のRTI Internationalに務める研究者のJamie Guillory氏は、「手術の際に、できるだけ低コストで患者の不安を取り除くことが重要であるため、スマートフォンが鎮静効果を生み出すという今回の発見は、とても実用性が高い」と伝えた。過去にも、治療中に音楽を聞いたり、テレビゲームで遊んだり、映画を見たりといった娯楽によって、患者の気がまぎれて鎮痛剤の投与量が通常よりも少なくて済むという研究結果が出ている。Guillory氏は「音楽や映画などの受動性が高い娯楽よりも、他人と相互的なコミュニケーションを取る方が効果が大きいのではないか」と推測して実験を行った。
実験では外科手術を受ける98人の患者を4つのグループに分けて、「スマートフォンでアングリーバードをプレイする」「家族とメールのやりとりをする」「見ず知らずの他人とメールのやりとりをする」「何もしない」という異なる状態で下半身に局部麻酔を打って手術を受けてもらった。
手術中に患者が「麻酔を追加で投与してほしい」と要求した量を分析すると、「アングリーバードをプレイする」グループと「家族とメールのやりとりをする」グループの結果はほぼ同じだったのに対して、研究チームの予想に反して「見ず知らずの他人とメールのやりとりをする」グループで麻酔の量が最も少なく、「何もしない」グループと比べると1/6の麻酔しか使われなかった。
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