『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Fitbit、新デバイス『Inspire』で健保と企業福利分野に進出”
Fitbitから新しいフィットネスモニター『Inspire』が登場したが、これは店舗で購入はできない。同社として始めての健保加入者ないし企業社員向けのプロダクトだ。会社や健保が補助するプロダクトを手がけることで企業ヘルスケアの分野に一層深く浸透しようというアイディアだ。
新しいデバイスはクリップがオプションとして付属するリストバンドだ。ベーシック版の機能は標準的で、運動、睡眠のモニター、カロリー消費の推計、設定されたスマートフォンへのアラートなどだ。ハイエンド・モデルには、GPSによる位置追跡、心拍数モニター、詳細な睡眠時分析が含まれる。プロダクト紹介のページに価格は表示されていない。
記事原文はこちら(『TechCrunch Japan』2019年2月14日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
ここ数年、Fitbitは法人向けに力を入れています。コンシューマ市場で絶対的な認知を獲得してきたFitbitは、その優位性を活かしてすでに1,600社への導入を果たしました。次なる打ち手として、法人市場向けの『Inspire』をリリースしました。
『Inspire』には2種類あり、心拍のトラッキングができる『Inspire HR』とその機能がなく加速度センサー計測がベースとする『Inspire』です。
サイトで確認した感じですと、コンシューマ向け製品に比べ、安価な作りになっているように見えます。価格が公開されていないですが、かなり安く抑えられているように思われます。
なぜ低価格帯製品を用意したか?法人契約の場合、導入数も数千台単位になるでしょう。そうすると1台あたりの価格がネックになります。1台10,000円なのか5,000円なのかで大きな違いがあります。法人市場では、マネージメントクラスでもない限り、高額製品が選ばれる率は低くなります。
Fitbitがここ数年、法人契約が伸びているのに反し、収益が大幅に減ってきた原因がここにあるのではないでしょうか? その対策としての法人市場専用端末の導入と考えられます。
このアプローチにより、Fitbitの収益にどう影響してくるのか? さらなる打ち手をどう考えてくるのか? 注目していきたいです。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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