『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“CES2022、デジタルヘルス製品6アイテム紹介”
今年はラスベガスにCESが戻ってきた。消費者向けテクノロジーとして、独自のデジタルヘルストラッカーが多く登場したので紹介していこう。
[Omron Healthcare]
新しい遠隔患者モニタリングツールと接続された血圧計を発表した。『VitalSight』と呼ばれるこのツールは、データを共有することで患者の高血圧管理を支援し、治療への取り組みを強化することを目的とする。『VitalSight』キットには、接続された血圧計と、患者や医師とデータを共有するための「データハブ」が含まれる。
「『VitalSight』は、患者の高血圧管理への関与を高めます。このサービスは、正確な患者データを患者のケアチームと安全に共有し、治療を進化させる臨床的に適切な情報を提供します。『VitalSight』をすぐに導入した医師たちは、すでに患者に関するより深い洞察を得て、心臓の健康のための測定可能な行動変化を実感していると語っています」とオムロンのビジネス&テクノロジー部門のエグゼクティブディレクターであるJeffrey Ray氏は述べた。
リリースによると、このツールは医療機関のEHRに統合することができ、医師は自動通知システムを設定することができる。
[Avokad]
呼吸分析に基づいて、ユーザーに必要な栄養を見極める手助けをする。ユーザーは、ナノセンサーデバイスに息を吹き込むことで、呼気中のケトン体を測定することができる。
そして、同社の人工知能がケトン体のスコアを表示し、その人の脂肪燃焼の代謝を把握することができる。また、ユーザーが食事の計画を立てるのに役立つAIベースの提案も含まれる。
[Circular Ring]
睡眠と活動の記録をサポートするコネクテッド・ウェアラブル。睡眠中の人の「バイオシグナル」を分析することができる。また、ユーザーの身体活動やパフォーマンスを長期的に追跡することができる。ユーザーは、対応するアプリを使って、自分の健康やウェルビーイングについてより多くの情報を得ることができる。
[BBalance]
マットをベースにした体重計で、ユーザーに姿勢のスコアを提供し、姿勢を改善するためのアドバイスをすることができる。また、このマットは、ユーザーの日々のバランスのとれた体重と、それが健康上の目標に沿っているかどうかの情報を提供する。情報はアプリに送信され、ユーザーは自分の体重量を表示するかどうかを選択することができる。
[BeHear SMARTO]
手のひらサイズのサウンドアンプ。ユーザーは手動で音量を上げることも、システムをプログラムすることもできる。聴覚を70dB向上させることができ、対面での会話、通話、オーディオ、テレビ、パソコンなどに使用できると同社は説明している。
[Owlet]
Dream Duoと呼ばれる新しいベビーモニターシステムを発表した。このシステムは、赤ちゃんの睡眠を追跡し、子どもの睡眠ニーズに関する洞察を提供するために開発された。このシステムには、ウェアラブルの靴下型モニター、HDビデオカメラ、デジタルスリープコーチが含まれる。また、両親はDreamアプリを使って、赤ちゃんの睡眠状態や睡眠時間に関する情報を収集することができる。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』2022年1月5日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
オミクロン株が流行する中、開催が危ぶまれた「CES2022」が今年も無事に開催されました。今回取り上げた記事では、実際にはもっと多くの製品が紹介されていますので、ぜひ原文もご確認ください。その他のニュースで「CES2022」が紹介されていたら、今年もできるだけ多くピックアップしていきますのでご期待ください。
今年もテーマ的には幅広く紹介されているので、ヘルスケア関連の今年の傾向などは捉えにくいですが、今年も少し残念だなと感じるのは、まだ測定技術のみを売りにしようとしているものが多く登場していることです。
どんなに精度が良くても、“続けて使いたくなる価値”が備わっていなければ、その後も生き残れるものにはなりません。
今回紹介した中で商品自体に、“続けて使いたくなる価値”が備わっているのだろうと思えるのは、聴覚を補完するアンプ『BeHear SMARTO』です。
人は年とともに聴力は衰えてしまうもので、会話などがうまく聞き取れないことで、徐々にコミュニケーションを避けるようになりがちです。この製品は会話だけでなく、通話、オーディオ、テレビ、パソコンなど日々の生活に必要なものに調整して使えます。
前向きに活動できるツールとして、一度使うと手放せない存在になるのではないでしょうか。
記事原文ではスマート補聴器の「Eargo」も紹介されています。特に高齢者には使うだけで簡単に得られる“続けて使いたくなる価値”の提供が重要と言えるでしょう。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、本質的健康経営の社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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