『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Calm、RippleHealth Groupを買収し、メンタルヘルスケアの提供を拡大”
ストレスおよびウェルネスを管理するアプリを手がけるCalm社は、ケアコーディネーションや体調管理のためのアプリを作っているヘルステック企業Ripple Health Groupを買収したことを発表した。
Ripple Health Groupの現行アプリには、患者や介護者がケアチームとのコミュニケーションや、重要な文書の保存を行うことができる「CareMemo」や、ケアの管理や、医療情報の保存、服薬リマインダーの設定を支援するアプリ「LikePaper」などがある。
「私は、2019年からCalmの顧問を務めてきた中で、メンタルヘルス業界と流通チャネルを再定義し、メンタルヘルスの未来を切り拓くCalmチームの能力を目の当たりにしてきました」とRipple Health GroupのCEOであるDavid Ko氏は声明で述べている。「Calmは、世界に更なる幸福と健康をもたらすことを使命としています。Ripple Health Groupのチームとテクノロジーにとって、これ以上の適任はありません。同社に加わることを大変光栄に思います。Michael ActonSmith氏と共にCalmをヘルスケアに導入することを楽しみにしています」
Calmは、Ripple Health Groupの買収によりメンタルヘルス分野により深く入り込むことが可能になると述べている。Calmは今回の買収に合わせて、コンテンツ、コミュニティ、コーチングを提供し、メンタルヘルスケアの全領域で成果を促進する新サービス『Calm Health』を発表した。
『Calm Health』は、Calm for Businessに代わるサービスで、雇用者と連携して瞑想、ストレス、睡眠に関するコンテンツを従業員に提供するもので、近日公開予定とのことだ。
メンタルヘルスケアおよびウェルネスは、デジタルヘルス分野の中で最も参入者がひしめく分野であり、多くの企業が雇用者市場に向けてツールを提供している。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』2022年2月2日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
日本にも進出し話題となったCalmが、次のフェーズに進みだしたようです。
睡眠やストレスにアプローチする、スリープテックやストレステックなど話題になってきましたが、この10年の動向を見ても、ほとんどが大きな収益を得た例はなく、気づくと撤退しているのも多い領域です。
ではビジネスになるほどの市場性がないかと言うと、そんなことはなく、年商数百億円単位のビジネスは複数あります。そのほとんどが「〇〇テック」ではないことがポイントです。
「〇〇テック」が付くもののほとんどが、計測に重きを置いています。睡眠の状態を測る。ストレスの状態を測る。との視点です。
でも、睡眠をテーマに求められるのは、眠れるようになりたい。深い眠りを得たい。と言った結果です。計測がしたいのではないのです。ストレスに関しても同じことが言えます。
そんなスリープテックの中で突き抜けたのがCalmです。入眠改善に注力したアプリを提供できたことで、すでに(推定)500億円規模にまで成長しているのです。
そのCalmが激戦区となる法人市場に力を入れてきました。
米国の法人市場は日本とは比較にならないほど大きな市場です。もちろん、競合もひしめいています。そのような市場で、Calmがどのような手を打ってくるのか?Ripple Health Groupの買収がどう活かされるのか?今年注目の展開となるでしょう。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、本質的健康経営の社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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