『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“24時間、体温変化を管理できる超小型貼り付け体温測定技術の開発”
オムロン ヘルスケアは、独自のセンサ構造とアルゴリズムにより体の表面温度から体温を測定する、超小型貼り付け体温測定技術を開発しました。10月7日から始まるCEATEC JAPAN 2015オムロンブースにて紹介します。
近年、夏に猛暑日が続き、患者が急増している熱中症の症状には、体温の急上昇や体温調節機能の低下などがあります。また、乳幼児や高齢者の急な発熱など、本人に自覚症状や周囲の人に伝えることができないまま体温が変化し、気づいたときには重症化するケースも発生します。しかし、一般の体温計は、わきや口中で体温計をしっかりとはさむ必要があるため、体温を測り続け体温の変化を確認することは困難です。
体温(体の深部の温度)は、脂肪や血液などの体組織を通って、体表に伝わります。
体の表面温度は、深部から体表までの距離(脂肪の厚さ)や熱の伝わりやすさ(熱流)など、体組織の特性によって、体温より低くなります。体表に伝わる熱流と体組織の特性がわかれば、体の表面温度から深部の温度を推定することができます。
プレスリリースはこちら(オムロンヘルスケア株式会社、2015年10月5日発表)
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、オムロンヘルスケアが開発した24時間、体温変化を管理できる超小型貼り付け体温測定技術に関するニュースです。
体温は体の深部の温度であって、体の表面温度とは異なります。
オムロンヘルスケア社では、深部温度センサと体の表面から体温を測定する独自のアルゴリズムを開発したとのことで、これによって常時体温のモニタリングが可能になります。また、深部温度センサに通信機能を搭載することで、スマホなどとのデータ連携も可能になります。
今回のリリースでは、体温の常時測定が可能になることで、乳幼児や高齢者への体温変化管理や、屋外作業者の体調管理などへの活用が考えるられる、とあります。
まずは体温の常時測定が可能になることで、その情報を素早く把握してリスクを回避するために活用するのは、入口として当然だと思います。問題は、その次に「体温の常時測定」をどのような新しい価値として提供していけるのかがポイントになってきます。
体温の常時測定が可能になるということは、「リスク回避」の方向だけではなく、体調やコンディション、また行動や活動、そしてメンタルなどなど、いろいろなアプローチの可能性が考えられます。
体温の常時データをどのように活用して、利用者のどんなニーズに応えていけるのか、可能性を拡げて考えてみても良いテーマだと感じています。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。食コンディショニングアドバイザー。
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