『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“ライフログから個別に健康メニューや食材を提案する実証実験を開始します”
ライフログから個別に健康メニューや食材を提案
四国のスーパー「フジ」と共同でAI健康アプリ『カロママ』による実証実験を開始
食品スーパーのDX支援を視野にお客様の行動変容や購買行動の変化を検証
ライフログから個別に健康メニューや食材を提案
四国のスーパー「フジ」と共同でAI健康アプリ『カロママ』による実証実験を開始
食品スーパーのDX支援を視野にお客様の行動変容や購買行動の変化を検証
リンクアンドコミュニケーションは、中国・四国地方を中心にスーパー「フジ」を展開するフジ社と共同で、当社のAI健康アプリ『カロママ』を活用した実証実験を開始します。
実証実験では、フジが展開するフジグラン松山(松山市宮西)にて『カロママ』の利用モニターを募集。食事写真の画像認識などを通してアプリに登録した個人の食事データなどのライフログ(生活習慣データ)から、AI管理栄養士によるパーソナルな食事・メニュー提案を行います。実証実験は2020年9月16日(水)に開始されます。
■今回の実証実験について ~AI管理栄養士がスーパーのお客様にパーソナルな健康メニューを提案~
近年、生活者の健康意識は高まりを見せていますが、食品スーパーマーケットのお客様においても同様の傾向を示しています。健康に配慮した食材や食品に対する関心は年々高くなっており、とくに今年に入ってからは新型コロナウィルスの影響を受けて「健康に配慮した食生活を送りたい」と考える方が急増しています。一方で、「健康に配慮した商品は増えたが、自分にとってどんな商品を買ったら良いのかわからない」などと言う声も聞こえてきています。
今回の実証実験では、フジグラン松山に来店されるお客様の中からご応募いただいた「フジモニター」、及び現在の『カロママ』ユーザーからご応募いただいた「カロママモニター」を対象に、アプリ内のAI管理栄養士による2億通り以上のアドバイスを通じて、本人の健康を考えたパーソナルな健康メニューや食材を個別に提案します。特に「フジモニター」には、フジグラン松山での特売などのおすすめ商品と連動することで、自分の健康に合ったお買い物ができるようになります。
AI健康アプリ『カロママ』について
『カロママ』は、毎日の食事や運動、睡眠などのライフログに、AIがリアルタイムにアドバイスを行うAI健康アプリです。対象はダイエットや健康管理を考えている方。食事を記録すると、独自のアルゴリズム・AIが食事の評価を行い、改善点や次の食事のメニュー提案まで、2億通り以上のアドバイスを自動で提供します。
また、特許権を取得した日本初の「食事量の自動認識技術」を備えた食事画像認識AIが食事写真を自動認識。カロリー計算や栄養価計算を自動で行う「カロママ」は、アプリ利用者専属の「AI管理栄養士」です。
パーソナルな健康メニュー提案の例
フジグラン店のおすすめ商品情報をもとに、本人の健康状態を考えて、健康のために必要な栄養素が入っている健康メニュー・レシピ・食材・商品が提案されます。
実証実験内容
「フジモニター」及び「カロママモニター」がAI健康アプリ『カロママ』を利用し、食事や運動、睡眠などのライフログを登録。アプリが個人のデータに応じてパーソナルな健康メニューを提案します。「フジモニター」に対してはフジグラン店のおすすめ商品情報を、「カロママモニター」に対しては、実際のスーパーマーケットとは連携せず、仮想店舗の商品情報を元に健康メニューを提案します。
検証ポイント
「カロママ」による健康アドバイスとパーソナルな健康メニューの提案により、どのような行動変容があったかの検証を行います。また、ID-POSなどの購買履歴との連携により購買行動の変化も検証します。
プレスリリースはこちら(株式会社リンクアンドコミュニケーション、2020年8月31日発表)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、ライフログから個別に健康メニューや食材を提案する実証実験に関するニュースです。
最近ヘルスケアサービスをウォッチしていると、「個別化」「パーソナライズ提案」に対応したサービスが多くなっている印象です。
先日もこの注目ニュースで取り上げたニチレイ社が開発した「conomeal(このみる)」も個々の「食の好み」を分析し、それぞれの好みにあったレシピや情報提供を可能にする食嗜好分析システムです。
今回のライフログから個別に健康メニューや食材を提案する『カロミル』の実証実験では、ライフログである食事の記録データから健康のために必要な栄養素が入っている健康メニュー・レシピ・食材・商品が提案される仕組みです。今回の実証実験ではスーパーと連携し、スーパーの特売品や商品がオススメされる仕掛けになっています。
アプリ内の商品レコメンドがどれだけ購入に結びついたのかといった検証も行うため購買履歴のデータと結びつけて、マーケティング、プロモーションとしての効果も検証するとのことです。
これまでライフログのアプリやサービスを提供している事業社は、個人のライフログデータの活用として個人へのフィードバックの質を高めることを中心に展開してきましたが、今回のニュースを見て個人のライフログデータの活用や外部と連携したマネタイズの可能性が少しだけ具体的な形になってきているような気がします。
食のレコンメンドについては、栄養素の過不足だけでなく、ダイエットなどの目的に応じた個別化は必要で、また個人の食生活や好み、そして環境的な天候や気温、さらにいま食べたいかどうかといった気分的な面などの情報を組み込んだ提案が必要になってきます。
しかし、継続的な食事記録から個人の食生活や好みはある程度把握できます。また、いま食べたいかどうかといった気分的な面も、継続的な食事記録から個人の食事パターンを分析することで見えてくる可能性もあるかもしれません。環境的な天候や気温に関しては外部データと連携し、また天候、気温によって購買意欲に影響する商品は購買履歴と連携すれば可能になります。
個人のライフログデータを価値あるものとして個人にフィードバックできるかという視点で、外部のデータとの連携の可能性を探っていくことが、今後ライフログサービスとして顧客に選ばれる一つの鍵になっていくと思います。
『mHealth Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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