『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“研究:岡山大学、フレイルになる人は2年前に舌の動きが衰えていた!”
◆発表のポイント
- フレイルとは健康な状態から要介護の状態に移行する中間の段階で、加齢によって心身が老い衰え、軽度の認知障害や社会とのつながりが減少した状態のことをいいます。
- 様々な要因を分析した結果、2年後にフレイルになった人はすでに舌の動きが衰えた人たちでした。
- 舌の動きは訓練すると維持・改善できるといわれているため、舌の動きが衰えないようしっかり動かすことで、フレイルを予防できるかもしれません。
岡山大学病院歯科・予防歯科部門の竹内倫子講師、岡山大学学術研究院医歯薬学域予防歯科学分野の森田学教授らの研究グループは、「タ」の1秒間に発音できる回数が少ない人は2年後にフレイルになりやすいことを明らかにしました。この研究成果は、2022年1月20日、スイスの学術雑誌「International Journal of Environmental Research and Public Health」に掲載されました。
舌の動きが衰えないようにすることで、将来フレイルになることを予防できる可能性があります。これは介護予防にもつながり、健康長寿社会を目指す日本において、健康寿命を延伸する一助となる可能性もあります。
◆研究者からのひとこと
身体の健康とお口の健康はつながっています!元気な身体で楽しい人生を過ごすためにも、むし歯や歯周病といった病気に注目するばかりでなく、お口の機能の面も大事にしていただきたいです。
プレスリリースはこちら(国立大学法人岡山大学 2022年3月17日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、舌の動きの衰えとフレイルとの関係についてのニュースです。
フレイルとは、健康と要介護・寝たきりの間の状態であり、加齢によって心身が衰え、軽度の認知障害や社会とのつながりが減少した状態のことです。
最近では、平均寿命と健康寿命の差が注目され、いつまでも元気で健康の状態を維持することが高齢者向けのアプローチでは期待されています。
フレイルとは、3つの要素で構成されています。
・身体的な衰え
・心理・精神的な衰え
・社会性の衰え
今回のニュースの舌の動き、衰えは、身体的な衰えとして口腔機能の低下である咀嚼力や嚥下に影響し、その結果として栄養に大きく関係してきます。
また、舌の動きは会話にも影響していることから、舌の動きの衰えが社会性の衰えにもつながっていくということのようです。
このように、舌の機能だけでみると、咀嚼力や嚥下といった口腔機能だけに見えがちですが、実は舌の動き、衰えは栄養やはもちろん会話、社会とのつながりなど、身体はもちろん生活全般に大きく関係しているのです。
最近では、歯周病が糖尿病などの身体の病気に関係し、歯周病と全身の健康の関係にも注目が集まっています。
生活習慣病はもちろん健康寿命の延伸に向けた口腔ケアのアプローチは、これまでの以上に今後は注目されると予想しています。
口腔ケアからの身体全身へのアプローチは、今後の注目テーマの一つだと思います。
『mHealth Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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