『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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毎日の浴槽入浴習慣から始める健康維持・増進
“浴槽入浴頻度が高いほど幸福度が高く、健康診断の指摘無しの割合が多い傾向 ”
東京都市大学 早坂信哉教授の研究グループと共同研究
バスクリンは、東京都市大学人間科学部 学部長 早坂信哉教授の研究グループと共同で、全国の20-60歳の調査参加に同意を得られた300名を対象に2022年12月にweb調査による自記式横断研究を実施しました。
浴槽入浴の頻度が週4回以上の群(以下:高頻度群)と、週3回以下の群(以下:低頻度群)の2群に分けて解析を行いました。高頻度群では、低頻度群と比較して、幸福度、主観的健康感、睡眠の満足感が高い傾向にあり、特に幸福度は有意に高いことがわかりました。また、高頻度群は入浴条件(湯温や入浴時間など)についての意識も高く、健康診断において指摘事項が無い方の割合も多い傾向にありました。
本研究の成果は、2023年10月31日~11月2日に開催された第82回日本公衆衛生学会(茨城県つくば市)で報告しています。
【結果サマリ】
◽️浴槽入浴頻度とQOLの関連では、幸福度、主観的健康感、睡眠の満足感で高頻度群の得点(0-10点)が高く幸福度では有意な差を認めました。幸福度の理由として「家族関係」との有意な関連が認められました。
◽️健康診断の指摘では、高頻度群で、指摘無しの割合が多い傾向にありました。
◽️入浴法の意識得点(0-10点)では、高頻度群の得点が有意に高く、理由として「免疫力を高めたい」、「代謝を良くしたい」との有意な関連が認められました。
入浴法の意識得点:入浴時のお湯の温度、入浴時間、入浴剤使用などの意識(とても意識する10点-全く考えていない0点)
【背景】
当社では、「浴育」研究として入浴習慣と子どもの成長・発達に関する研究を重ね、幼少期の入浴習慣や入浴時の親子のコミュニケーションが、子どものしつけや教育とも関連することを明らかにしてきました。一方、日本では超高齢社会が急速に進展し、健康寿命の重要性が明らかになり、健康寿命延伸に向けたさまざまな取り組みが行われています。今回、人々にとって身近な生活習慣であり、体の清浄や温熱、リラックスなど健康で健やかな生活に有用な入浴習慣に着目し、成人の入浴習慣頻度とQOL、健康状況との関連を見出すことを目的としました。
【方法】
調査期間:2022年12月
調査対象:20~60歳の各年代(20、30、40、50、60代)男女30名ずつをランダム抽出し、調査参加に同意を得られた計300名
調査方法:Web調査による自記式横断研究
調査項目:基本属性、入浴実態、浴槽入浴とQOL、入浴法意識とその理由、健康状況(健康診断での指摘等)との関連
解析方法:浴槽入浴とQOL、健康状況(健康診断での指摘等)との関連について、浴槽浴頻度を高頻度(週4回以上)、低頻度(週3回以下)の2群に分け、その背景因子について解析しました。
【まとめ】
本研究の結果から、浴槽入浴頻度は、幸福度、主観的健康感、睡眠の満足感などのQOLと関連があり、浴槽入浴頻度が高い方が入浴法の意識が高く、「免疫力を高めたい」、「代謝を良くしたい」との有意な関連が認められました。また、健康診断において指摘無しの割合が多い傾向があり、健康状況の良好化にも寄与する可能性が示唆されました。当社では、バスライフを通してお客様の健康をサポートできるよう、今後も入浴と健康維持、増進に関する研究を進めてまいります。
プレスリリースはこちら(株式会社バスクリン 2024年2月1日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目したのは、バスクリンが実施した浴槽入浴頻度と幸福度、主観的健康感、睡眠の満足感の関連について調査したニュースです。
今回の調査では、浴槽入浴の頻度を週4回以上の高頻度群と週3回以下の低頻度群を比較して、浴槽入浴の頻度が週4回以上の高頻度群の方が、幸福度、主観的健康感、睡眠の満足感が高い傾向にあり、特に幸福度は有意に高い結果になっています。
また、高頻度群は入浴条件(湯温や入浴時間など)についても意識が高く、健康診断における指摘事項が無い方の割合も多い傾向になったと伝えています。
今回の調査で、浴槽入浴の頻度が週4回以上の高頻度群の幸福度が有意に高い理由については、「家族関係」との有意な関連が認められたとのことです。
この幸福感については、浴槽入浴が身体にダイレクトに影響しているということではないようですが、主観的健康感、睡眠の満足感については、浴槽入浴が直接的に身体に関係し、結果として高い傾向になっているものだと思われます。
おそらく、睡眠の満足感については、浴槽入浴によって深部体温が上昇し、その深部体温の急激な低下が良い睡眠へとつながり、結果的に睡眠の満足度につながっているのだと考えられます。
また、高頻度群は、健康診断における指摘事項が無い方の割合も多い傾向だったとのことで、浴槽入浴頻度が高い方が入浴法の意識が高く、「免疫力を高めたい」、「代謝を良くしたい」との有意な関連が認められたとのことで、やはり、浴槽入浴頻度が高い人は、健康への意識が高い傾向なのだと、今回の調査結果をみてあらためて感じました。
健康意識の高さを測る物差しとして、様々なヒアリング項目が存在していますが、今回の調査結果からもわかるように、浴槽入浴頻度も健康意識の高さを測る一つの物差しとして有り得るような気がしています。
日常の生活スタイル、生活行動からでも健康意識の高さや健康リスクを予測することは可能なのだと、今回の調査からあらためて気づきました。
今後、いろいろな場面で、浴槽入浴頻度と健康意識の高さの関係は見ていきたいと思います。
『mHealth Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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