『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“ヤマップ、歩行距離で保険料が変わる『山歩(さんぽ)保険』”
ヤマップのグループ会社であるヤマップネイチャランス損害保険は、登山地図GPSアプリ「YAMAP」の歩行距離データに基づき保険料が変動する損害保険商品『山歩(さんぽ)保険』の販売を開始した。歩行距離データと連動して保険料が決まる保険商品は世界初。
自動車保険業界で普及が進むテレマティクス保険と同様の仕組みで、活動中の歩行距離を自動で計測し、1年間の歩行距離を合算して保険料が決定される。
歩く距離に応じて保険料が決まる仕組みで、歩行距離が少ないと安く、多いと高くなる。たとえば、山での年間歩行距離が100km程度であれば追加保険料は570円程度(保険料の合計は3,370円程度)となる。保険料の合計は最大で5,350円程度。なお、1年間に1回以上登山・ハイキングに行ったYAMAPユーザーの年間歩行距離(2023年)の平均は156kmという。
山歩保険には、遭難捜索の補償(最大300万円)に、YAMAPのユーザー規模を活かした目撃情報収集の仕組みも付帯。データを活用し、補償範囲を登山・ハイキングに特化することで、より安価で公平な価格設定としている。特に行動量・登山頻度の少ない登山者は、従来よりも低コストでの加入が可能になる。加入はスマートフォンで完結し、登山当日でも加入できる。
記事原文はこちら(『Impress Watch』2024年12月11日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
ヤマップから、とてもユニークな保険が登場しました。まさに登山者フレンドリーな保険となっています。
登山に限らず、スポーツには事故や怪我がつきものです。スポーツをする人は、いざというときの備えとして保険加入はしておくべきでしょう。
とは言え、はじめたばかりだと、どれくらいそのスポーツにハマるのかはわかりません。どんなスポーツでも、最初は手軽にはじめたいものです。
だんだんとハマっていくことで、装備を充実させたり、運動時間が増加したりするわけですが、ハマりだすとその分、何かが起こる可能性が高まりますので保険が重要になってきます。
今回取り上げた『山歩(さんぽ)保険』は、ハマり具合によって保険が変動するのは魅力的です。しかも、変動基準は普段使っているGPSアプリで判定してくれるのもありがたいです。わざわざ申請し直す必要がありません。
このように行動を記録するモバイルヘルスが活用できるのは、とても理想的な組合せと言えます。
登山に限らず別のスポーツ、例えばロードバイクなど、1回の走行で10km程度から、慣れてくると100km、200km当たり前になってきます。当然のようにロードバイクでもGPSを使った計測をしていますので、同じような仕組みで保険が提供できそうです。
今後も「モバイルヘルス ✕ 保険」が充実していくことを期待したいと思います。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行う。
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