『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“メディプラス研究所、低ストレス・高ストレス女性の行動を曜日別で調査”
月曜日は仕事をがんばる、水曜日は早帰りで習いごと、金曜日は友人たちと外食。そんな風に曜日で行動を決めて生活している人は多いのではないでしょうか? そこでオフラボでは、全国20〜69歳の女性7万人を対象に行った「ココロの体力測定2017」から、低ストレス者と高ストレス者の行動の違いを曜日別で調査しました。
■ 似たような日常行動でも「入浴」は変わらず、「睡眠」でストレスレベルに差
まず、ストレスレベル・曜日に関わらず心がけている人が多いのが、「湯船に浸かる」こと。低ストレス女性も高ストレス女性も共に5割以上と、毎日の入浴への意識が高いことがわかります。
次にストレスレベルで差が出たものに注目しました。「睡眠を7時間以上とる」と答えた高ストレス女性 は、平日では軒並み20%以下だったのに対し、低ストレス女性は30%以上。とくに、週の半ばである水曜 日と木曜日の睡眠を意識している人は、高ストレス女性が20%以下だったのに対し、低ストレス女性は半数近くもいました。「夕食を家族ととる」も、全体的に10ポイント程度、低ストレス女性の方が実施率が高い結果に。「仕事」は平日は変わらないものの、週末の高ストレス女性の実施率が低ストレス女性を顕著に上回っています。
■ 週初めの“月曜日”は健康的に、“水・木曜日”は趣味や睡眠でリラックスがストレスオフに
自分の時間の使い方も、曜日ごとに調査しました。低ストレス女性は、週の初めを「ジム」「お酒を飲まない」「セルフケアに時間を割く」といった健康的な時間にあてており、週の半ばは「趣味」、平日最後の金曜日は「異性とのスキンシップ」「デート」とメリハリのある印象です。一方、高ストレス女性で目立ったのは、週を通しての「ストレス発散の食事」の高さで、とくに火〜金曜は、低ストレス女性の倍近くのポイント数でした。
「日常の基本行動で、週を通して低ストレス女性の実施率が高かった「入浴」「家族と夕食」も、平日では月曜日が一番高かったこと。そして水・木曜日の「睡眠」への意識を併せてみると、ストレスオフの鍵は週初めの“月曜日”と週半ばの“水・木曜日”の過ごし方にあると言えそうです。
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『mHealth Watch』の視点
健康経営で従業員に健康活動をしてもらうには、どうしても仕事以外の時間にも活動してもらう必要がありますが、仕事以外の時間で強制力を働かせるのは難しく、反発を生むことにもなりかねません。仕事以外の時間に、どう積極的に健康的な活動をしてもらうかがポイントになります。
メディプラス研究所が独自調査の結果を公開する「オフラボ」に掲載された調査結果は、全国の女性20〜69歳の2,266人の中から、有識者女性の高ストレス者356人、低ストレス者204人を対象としていますので、従業員の女性の傾向を知るのに役立ちます。
この調査でユニークなのは、曜日単位での違いを見ることで、1週間の生活パターンを見える化している点です。それぞれの曜日でだいたいどんなことをしているのかわかります。ただし10%を切った項目も多いので、アプローチに活用する場合は、ある程度の属性でグルーピングする必要があります。
調査結果を見ていくと、高ストレス、低ストレス女性の大きな差は、“睡眠時間”と“オフの過ごし方”にあるようです。今回公開されている調査結果は一部の情報だと思いますので、睡眠時間の差がどれくらいあるかはわかりません(質問が「睡眠を7時間以上とる」だけなので)が、ストレスが睡眠時間に影響しているのがわかります。
睡眠時間は、日中の活動が影響しますので、高ストレス、低ストレス女性のオフの過ごし方の差を見ていくと面白いです。高ストレス女性は「ストレス発散の食事をする」が多いです。この中には、飲酒も含まれると思いますので、ストレスが発散できるような飲酒量も増え、食事も夜食べるには負担のかかるメニューを選んでいる可能性があります。これが睡眠の時間だけでなく、睡眠の質を低下させている可能性もあり、ストレスの悪循環に陥りかねません。
モバイルツールは24時間いつでもアプローチすることができますが、無理強いしてストレスを感じさせては意味がありません。従業員の生活行動を踏まえて、無理に健康にさせようとせず、ストレスを軽減するためのツールとして活用していくのが望ましいでしょう。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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