『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“AT&T、OneLifeがLTE-M医療用スマートウォッチ『OnePulse』を発表”
AT&T社とモバイル用医療ソフトウェア会社のOneLife Technologies社がLTE-M認証付の医療用スマートウォッチ『OnePulse』を開発。監視装置を最長5日間装着し続けることが可能になる。
OneLife Technologiesの発表によると、装着中の動作、睡眠、心拍数、位置、落下の追跡能力に加え、血圧計カフやSpO2モニタなどの医療機器に接続し、そこからデータを収集も可能。データの暗号化とオープンAPIにより、機器と特定のEHRプラットフォームとの通信が可能になり、特定条件に合わせて機器の接続サービスを微調整するカスタマイズもできる。また、ネットワークへの接続性により、スマートウォッチからのデータとアラートを家族やケアチームへ継続的に連絡できる。
OneLife TechnologiesのCEO、Robert Wagner氏は、声明で「当社の機器にAT&Tの接続性を付与できたことは、当社のHub-of-Care(ケアの中心に)というコンセプトを立ち上げるうえでの大きな一歩です。革新的なウェアラブル端末により、北米のおよそどこにいても、ほぼリアルタイムで患者と介護者がつながることができ、先進的な公衆衛生プラットフォームになる、というコンセプトです。私たちは皆、できる限り最高の医療を受けたいと思っています。緊急時や老後、愛する人のためや健康なライフスタイルを維持するためです。これからはそういった水準のサービスがAT&Tに接続した『OnePulse』の医療・健康用スマートウォッチで実現します」と語った。
OneLife Technologiesは、3月までに『OnePulse』を販売業者が購入可能とする予定。来週バルセロナで開催されるMobile World Congressでスマートウォッチのデモを行う。
『OnePulse』の数々の機能と互換性は、機器とプラットフォームの幅広いネットワークに適合する包括的で継続的なモニターを求める販売業者には吉報となるだろう。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』2019年2月22日掲載)
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『mHealth Watch』の視点!
医療用スマートウォッチの導入が増加しています。Apple WatchのECG機能搭載による医療機関での利用が有名ですが、その他にも、Verily社の『Study Watch』とそのオンデマンドのECG機能で510(k)クリアランスを取得したり、Aktiia社とGlobal Kinetics Corporation社は共に疾病に重点を置いたスマートウォッチに対する出資を受けたり、別のニュースで紹介したMedical Guardian社の『Freedom Guadian』や、MobileHelp社から出ている『Smart』はシニア向けで市場に導入されています。
米国でこれだけ活発にスマートウォッチの医療活用が進んでいますので、日本でも一般的になるのは、そう遠くない話しかもしれないですね。
OneLife Technologies社のスマートウォッチ『OnePulse』は、スマートウォッチ自体の機能は目新しいものではないですが、血圧計などの機器やプラットフォームとなるEHRとのスムーズな連動性が売りです。必要なものをチョイスするだけで患者に提供できるようになっているのだろうと想定されます。
ICTにつきものの複雑な設定は、時間に追われる医療の現場では導入が難しいですが、それがパッケージ化されているだけで、利便性はかなり高まります。
また医療において、患者の利用時にデータ連動ができなくなるリスクはできるだけ避けたいことです。今回はAT&Tと組むことでそのリスクを抑えようとしています。AT&Tは、フィーチャーフォン時代から医療に連携したサービスを模索してきました。そのノウハウも活かせているのではないでしょうか。
モバイルヘルスが本格的に医療現場で活用できる環境がかなり整ってきたと言えるでしょう。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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