(株)フジクラ健康社会研究所のCEO浅野健一郎氏が代表理事を務める「一般社団法人 社会的健康戦略研究所」が10月3日に正式に発足された。
「社会的健康戦略研究所」は、人生のライフステージに合わせ、WHOの定義する“健康”の実現のため、社会的健康度の改善、持続可能な共生社会実現を日本のみならず世界でも主体的に行うことを目指し研究を行う組織となる。スクール研究部会、職域研究部会、地域(シルバー)研究部会の3つで構成される。
まず各部会に先行して職域研究部会がスタートする。一般募集に先駆けて、プレメンバーによる先行研究が行われる。
プレメンバーは、すでに健康経営に関わってきた経営コンサルタント、健康経営担当者、健康経営関連事業者の3つのユニットから約30名が参加した。
今後の日本の役割と社団設立の意義
「企業は、企業発展と社会課題解決の両立を目指す新しいマネジメントにシフトしなくてはいけないのではないでしょうか?」
冒頭に、現在の企業における問題意識を提示した浅野代表理事による講演では、これからの社会の動き、適応する企業の動き、そして企業発展と社会課題解決の両立を目指すために、有効なツールとして健康経営を位置づけるべきと伝えた。
「ここで目指すべき健康経営は、今まで巷で言われてきた健康経営ではWHOを定める“健康”や持続的社会の実現は達成しません。新たな健康経営を協議し仕組み作りまでを、この社団で行っていきます。
高齢化社会化する課題先進国である日本が、世界に果たす役割があります。新たな健康経営を活用して国際標準化を進めることで、その役割を担っていくものとなります」
これからの健康経営の可能性を探る
イベント後半には、「社会的健康戦略研究所」の理事である(株)NTTデータ研究所の植田順氏より、全員参加のワールドカフェが行われた。
今後はユニットごとに研究活動を行っていくが、立場の違いで感じている課題、ユニットを超えて目指すべき方向性がどのようなものになっていくのか、意見を交換した。
終了後、担当ユニットから参加した松本裕文氏(SMN社)よりコメントをいただいた。
「2年半健康経営に取組んできました。やってきて一番思ったことは“従業員の幸せをサポートしたい”。これを実現するには、経営者へのアプローチが大切になります。数字が大切になる立場の人達なので、理解してもらいやすい形を作っていくと共に、社団での取組みにより、世界のインフラになることを伝え、意義を共有していきたいです」
事業者ユニットからは、天辰次郎氏(asken社)からコメントをいただいた。
「従業員を一括にはできないと思いました。例えば、タバコを吸う人はストレス解消ができている可能性があります。それをタバコは体に害があるで一掃してしまうと、ストレスを溜める要因になる場合があります。良かれと思ってやることがストレスになってはいけない。“あすけん”だけですべてを担えるものではないです。社会において持続可能な形を見つけていきたいです」
今後の活動状況の共有や、一般募集についてもmHealth Watchにてご案内していきます。
取材:mHealth Watch 兼 社会的健康戦略研究所理事 渡辺武友(2019年10月3日)
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