9月7日(月)~8日(火)に東京で開催された『Wearable Tech Expo in Tokyo 2015』の2日目に行ってきました。当日催された講演のうち、4講演のレポートをお送りします(取材・文:渡辺武友)。
[スマートLEDシューズ『Orphe』] 菊川裕也氏(株式会社no new folk studio)
スマートフォンと連携し、動きに合わせLEDが色を変えるシューズ『Orphe』。すでに多くのメディアに取り上げられてご存知かもしれません。
今回は、今後『Orphe』がどう進化していくのか、その例として、プロのダンサーによるパフォーマンスを点数化し、クラウド上で競える機能や、他社からの相談でスポーツの動作解析に役立てていけるか検討していることなどが紹介されました。
ヘルスケアでの展開も検討しているそうで、ゲーミフィケーションの要素を入れてリハビリのシーンで活用などが挙げられました。
[AIとロボットのある社会、人の存在はこうなる]
堀江貴文氏(SNS株式会社)、中野信子氏(脳科学者)、林要氏(ロボット開発者)、湯川鶴章氏(ITジャーナリスト)
「AIやロボットテクノロジーが普及する過程において発生しうる社会的な課題に向き合い、AIとロボットがある、人間社会の理想的な関係を追求する」をテーマに、4名によるディスカッションが行なわれました。
AIやロボットが進化した時、人との違いとして林氏は「繋がっている神経が違うだけ。人間は生殖があるが、ロボットにはないので違う存在が出てくる。別の人種ができるようなイメージ。AIが意思を持っても人間を滅ぼす利点がない」とコメントされました。
AIやロボットが人間のようになっていくのか? について中野氏は、「人は種族を残さないとならないために生き延びなければならず、苦しみが伴う。ロボットがわざわざ人間のツライと思うことをする必要がない」とし、別の存在であることをコメントしました。
[スマートガーデニングシステム『EDYN』] Jason Aramburu氏(EDYN)
農業改革をスマートデバイスとして仕掛けている事例として紹介されました。
米国では水不足が問題になってきており、ガーデンの草木管理でもムダな利用が多いことがわかったとのことです。スプリンクラーが適切に機能していない、作物に適切な時間に適切な量の水を撒けていない、など。
『EDYN』はふたつのデバイスがあり、ひとつ目は土壌の状態を測定する。ふたつ目は水やりを自動化するもので、お互いに連動して機能します。
クラウドでデータを蓄積し、作物に合わせたプランをすでに5,000も用意しています。これにより、水道料金を40%削減に成功した、とのことです。
現在は、家庭用から大型農園への展開に向けた取り組みを始めているそうです。
[業務用スマートグラス『MOVERIO Pro』] 蟹澤啓明(エプソン販売株式会社)
2日間に渡り、多くのスマートグラスが紹介されていました。その中で最後に紹介されたのが、エプソン販売から9月17日発売される『MOVERIO Pro』です。
すでにコンシューマ向けに2011年に発売されたMOVERIOが、業務の場で活用できるのではないかと多くの問い合わせがあったとのことです。いくつかの実証実験を行い、この度業務用スマートグラスとして販売になりました。
同じく業務用スマートグラスをリリースする東芝の金子氏でも言っていましたが、市場としては、物流や工場作業のサポートからはじまり、サービス業への展開はその後になるだろうとのことでした。
全体としては、ヘルスケアに関連するものは少なかったですが、スマートグラスをはじめ、ヘルスケア分野へも大きな期待を寄せられているとのことなので、新たなウェアラブルを使って他社に先立ったアプローチはいかがでしょうか?
Comments are closed.