11月10~12日の2日間、ホテル椿山荘東京にて今年で8回目となる『Hospital Management Japan Summit 2021』が開催されました。
今回はじめてmHealth Watchとしてお伺いすることとなりました。2日目の午後からの参加となりましたが、mHealth Watch視点で皆さんと共有すべきポイントをレポートします(取材・文:渡辺武友)
「コロナの経験から得たい新しい院内連携のあり方」
東京医科歯科大学医学部附属病院 副院長・東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 心臓血管外科学分野 教授 荒井裕国氏
新型コロナ治療の最前線として、度々メディアでも紹介されてきた東京医科歯科大学医学部附属病院で、新型コロナ第1波のときから携わっている荒井教授が登壇。医療現場の実態、スタッフがどれだけ創意工夫しながら未知のウイルスと戦ってきたのかをお話しいただきました。
レポート:コロナ治療現場におけるメンタルヘルスケア
東京医科歯科大学病院では、2020年2月に最悪シナリオも考えていく必要を感じ、いち早く新型コロナウイルス対策会議を行い、活動がスタートした。
学長の「力を合わせて患者と仲間たちをコロナから守る」というメッセージを指針とし、最優先事項として取り組むこととなったことを、すべての病院関係者に伝えられた。そこから全スタッフ一丸となった取り組みがはじまった。
医療体制だけでなく、通常業者に委託する清掃なども受け入れ先がないため、医師たちによってバックヤードチームを作り取り組んだ。
同時に立ち上げたのが、医療従事者のメンタルヘルス対策だった。精神科と心療内科の先生が中心となり、現在も取り組みは続いている。
今年10月までに1321件のメンタルヘルス(面談等)が行われた。自身でも面談を受けたときに、自分は大丈夫と思っていたが、そのように考えているときこそ、燃え尽きてしまうことがあるので注意が必要であることを教えられた。
メンタルの傾向としては、第1波のときに未知のウイルスに対する不安が高まった。第1波を過ぎると一度落ち着いてきたが、第3〜5波では慢性的に不安が継続されている様子だった。
終わりの見えないコロナ禍で、スタッフの抑うつ度も徐々に高まってきた。長くなってくると疲弊することが数値で出ている。
<mHealth Watch考察>
医療現場では困難に立ち向かうときこそ、スタッフのケアを初期の段階から備えることが大切であることを学ぶ機会となりました。
通常の企業での活動では、目に見える事故の防止を考えることはあっても、メンタル面まで事前に検討されることはまだまだ少ないのではないでしょうか?
何かがあってから対応するのではなく、メンタル面では何か起こるものとして、ビジネスにおいても困難に立ち向かうときこそ、始める前から備えることの重要性に気づかされるお話しでした。
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