『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“AliveCor、AFアルゴリズムで新しいアプリを起動する”
スマートフォン用心臓モニター機器メーカーAliveCor社は、患者のための新アプリをリリースした。新しくiOS8が登場したのと同じタイミングであり、8月にこの会社がFDAの認可を受けた心房細動アルゴリズム(AFアルゴリズム)を組み込んでいる。
AliveCor社によると、新アプリはAFアルゴリズムに加え、検索機能とグラフィック性能などを強化し、患者は必要な薬と自身の症状を理解できる。
ロチェスター大学メディカルスクールArrhythmia Institute Valley Health System所長Jonathan Steinberg博士は、「このAliveCorの新アプリで、患者さんは脈の計測と、信頼性と完全性に欠ける紙ベースの記録に頼らないで済むようになります。心臓異常の疑いや診断を受けた患者さんに対処する時、『AliveECG』アプリは、なにが本当に心臓の健康に影響を与える投薬、または習慣や活動なのかを決める際に役立ちます。今や次の診察まで、より完全な見解を持てるようになり、AF症状発現の間、次に行なうべきことについてのアドバイスを迅速に受けられます」と述べた。
AliveCorの心臓モニターは、iOSとAndroid環境で利用でき、去年FDAの認可を受け、3月から実際に患者に使用されている。これまでのところ、この機器を利用する患者は、簡単にECG記録を24時間体制で返答を行なう有資格の心臓内科医や専門家に送信している。また、少額の追加料金でさらに早い返答も得られる。
このアルゴリズムにより、患者はECG記録を取り、素早く不整脈が生じたかどうかを発見できる。そして心臓内科医に連絡を取って結果を確認し、担当医師にそれをプリントアウトした資料を共有できる。 AliveCorのCEO Euan Thomson氏によると、このアルゴリズムは100%の感度 (決して偽陰性を返さない) と97%の特異度 (記録の際、偽陽性の確率は3%) である。明白な理由を持って、このアルゴリズムは偽陽性側に誤りが起こるよう設計された。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』9月29日掲載)
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『mHealth Watch』の視点
今回注目のニュースは“AliveCorが機能を発展させ、新たなアプリをリリースした”ことについてです。
mHealthが注目されるなか、医療領域でも多くのデバイスやアプリがリリースされました。しかし、多くのデバイスやアプリが発表されてきたのですが、その後の改良版が出ず、シーンから消えていったものもかなりあるように思えます。
そんななか、AliveCorは着実に進化してきた企業なのではないでしょうか。しかも医療業界のなかでは、かなり早いペースでアップデートした製品、と言えます。
AliveCorは、心疾患患者が日々の生活で気軽に心電を測定できるよう、測定器をiPhoneのカバーに設置し、手で持つだけで計測できるものとしてスタートしました。その後もAndroid対応、カバーサイズに左右されないデバイスの発売などを行なってきました。最新の機能は、心房細動アルゴリズム(AFアルゴリズム)を組み込んだことで、生活習慣、薬による作用などを分析できるようになりました。まさに、患者の利便性のために進化し続けている製品です。
「特に40歳以上の危険性が高くなった人達がこのアプリを手にし、定期的に使用すれば、モバイル技術を利用することで、これまで診断できなかった不整脈を見つけるだろうと強く確信しています。これは患者さんに大きな価値をもたらすでしょう。概念的見地から、またはモバイル医療の展望から、モバイル医療の将来に対し非常に有意義なことを行なっていると考えています」
CEOのThomson氏は、このように述べています。AliveCorは、mHealthの取り組みとしては、もっとも理想的な展開のひとつ、と言えるのではないでしょうか。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器の研究を行ない、健康ビジネスメディア「ヘルスビズウォッチ」を中心に海外のトレンド情報などを発表している。
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