『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Parks Associates、介護者の41%がデジタルヘルスデバイスを使用”
Parks Associates社は、介護従事者とその生活におけるデジタルヘルス機器の役割について、新しいレポートを発表した。Parksによると、アメリカでブロードバンド環境のある世帯の介護者の41%が、デジタルヘルス機器を使用している。8%は介護を効率良く行なうためになんらかのオンラインツールを使用している。
レポート「2014年ネット接続健康機器およびサービス利用者の全体(360 View: Health Devices and Services for Connected Consumers 2014)」は、2014年第二四半期に実施したアメリカのブロードバンドに接続している10,000世帯の調査を含む多くの調査から構成されている。報告は「CES 2015」で発表される予定の技術も見通している。
Parksのヘルスケアモバイル製品研究ディレクターHarry Wang氏は、「アメリカのブロードバンド世帯の22%は、世帯主が家族のために介護を行なっている。または近い将来行なうことになると考えています。『CES 2015』で、私達は多くの新しいデジタルヘルスデバイスやツールが並んでいるのを目にすることになるでしょう。これらの革新的ソリューションは介護者の強い関心を引くだけでなく、介護者が家族をモニタリングできる方法を向上するうえで高い水準のものとなっているでしょう」と述べた。
介護者がもっとも興味のある機能は「電子緊急ボタン」で、mPERSのような個人の緊急時に反応するシステムである。調査によると現在、または将来介護を行なう人の44%はそのようなデバイスに興味を持っており、さらに30%は緊急時のボタン機能のあるリストバンド型デバイスに興味を示している。
Parksによると、現在の導入状況に関してアメリカのブロードバンド世帯の27%は、現在ひとつ以上のネット接続ヘルスケアデバイスを保有・使用している。介護者の8%は、介護をする家族をモニタリングするための「電子時計」を使用している。Parksは8月にデジタルヘルス追跡ツールに関して、より全体的なデータを発表した。
2013年6月、Pew Internet and American Lifeプロジェクトは介護分野を調査し、親や子供の介護を行なう成人は、オンラインおよびモバイルヘルスツールを平均的アメリカ人よりかなり多く利用していることを明らかにした。しかし、介護にインターネットツールが役に立っているのは、ネット利用介護者の内59%にすぎなかった。52%はオンラインツールが介護のストレスに対処するのに役立っている、と答えた。
記事原稿はこちら(『mobihealthnews』12月18日掲載)
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『mHealth Watch』の視点
モバイルに拘らずICT全体で見ていくと、高齢者施設向けから個人宅向けまで、いくつかの取り組みが見られるようになってきました。しかし、この調査にあるようにモバイルにおいては、緊急時に通知してくれるデバイスの話題がほとんどで、まだ多岐にわたった展開は見られません。
高齢者の場合、モバイルの課題として「そのデバイスを忘れずに持って行ってくれるのか?」があります。解決策として、靴に組み込んだGPSなども出てきていますが、必らずその靴を履いて出かけてくれるとも限りません。
これから求められるのは、高齢者を大きく括ってしまうのではなく、年代や体調、また趣向性まで含めてターゲットを細分化して、そのニーズに適したもの、サービスを提供することだと思われます。
高齢者ではない人々に、健康に良いからといっても、それだけでデバイスを買ったり、サービスを受けたりすることは少ないのが実態です。自分の興味があることに紐付いてこそ、健康行動に繋がっていきます。それは高齢者でも同じことが言えるのではないでしょうか?
高齢者のスマートフォン利用は、国内でも少しずつ増えています。緊急時の通知機能も当然重要ですが、高齢者が楽しめる、生きがいを感じられ、自分から持って行きたくなるような、モバイルツールを検討してみてはいかがでしょうか?
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器の研究を行ない、健康ビジネスメディア「ヘルスビズウォッチ」を中心に海外のトレンド情報などを発表している。
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