FDASIAの報告書で予告されていたとおり、FDA(米国食品医療食品局)は健康促進用の機器やアプリの開発者を対象として、商品(またはその広告内容)が規制医薬用機器として認識されるのは、どの領域からかをより深く理解してもらうことを目的に、指針案文書を公表した。慣例どおり、FDAは90日間に渡って、製造業界と一般市民からこの新指針案に関するコメントを募集している。
同指針によると、「この指針の目的に従うと、一般的な健康商品とは以下の条件を満たす商品を指す。(1)使用目的が、全般的な健康や健康促進活動を維持、または奨励する内容に関連している商品。(2)使用目的によると、健康な生活を送ることと特定の慢性病、症状が起こるリスクや身体への影響を減らすことが関係付けられている。また、十分な立証と適用に基づいて、健康的なライフスタイルを選択していくことで、病気や疾病が身体に及ぼす影響を大きく変えられる、と主張している商品」とされている。
ここで使われている、「適切な理解に基づいて」という言い回しがポイントである。ある特定の健康促進活動が、特定の病気や疾病の予防に貢献することが「十分に立証される」というのはどのような場合だろうか。すべて法律家の解釈に一任されるのだろうか。その場合、健康器具やアプリメーカーは法律家の承諾を得るだけで、広告で自由にこれらの表現を使えるということになる。
さらに同文書では、FDAの規制対象とならない2種類の一般的健康器具についても規定している。
ひとつ目のグループは、「病気や疾病についてなんら言及もしていない器具」である。これらの器具は、病気や疾病について記述する代わりに、より広義の内容を記述している。「体重のコントロールのほか、レクリエーション、リラックス、ストレスマネジメント、判断力や自己価値感(例えば、美容上の効果をうたったもので、自己価値感の向上に関する記述のみがなされた商品)、睡眠管理や性的活動の向上を含むフィットネス」を目的とした商品は、規制領域には入らないのだ。
ふたつ目のグループは、病気や疾病に関する記述はあるものの、その記述が以下の2種類の様式内に制限されている商品である。すなわち、使用者が特定の病気や疾病にかかるリスクを減らすことに貢献する、またはそれらの病気にかかった場合でもより良い生活ができるように貢献する可能性がある、と記述されている商品だ。FDAはこれを以下のように説明している。
「上記ふたつのグループのどちらも、健康的なライフスタイルを選ぶことで慢性病や症状が起こるリスクやその影響を削減できる可能性がある、ということが十分に立証されている場合にのみ、そういった記述をするべきだ。健康的なライフスタイルを選ぶことが健康面で重要な役割を果たす、という主張は概ね受け入れられるべきである。この関連性は、複数の科学者がレビュー済みの科学文献でよく述べられている。健康的なライフスタイルによってそのリスクを減らしたり、病気にかかってもそれほど深刻な影響を受けなくて済む、とされる慢性病の例としては、心臓病、高血圧や2型糖尿病などがある」。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』1月16日掲載)
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