『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Fitbitは、FitStarフィットネスコーチングアプリの取得を検討”
Fitbitはすでに、年額49.99ドルの有料サービスで、ユーザーのFitbitデバイスのデータを解析して各ユーザーに合わせた健康プラン・目標を立てたり、より詳細なデータのレポートや、他のユーザーとの比較ツールを提供するなどしている。FitStarの買収が成功すれば、Fitbitは有料登録サービスの機能をさらに強化できるだろう。
ここ1年の間に、多くの有名企業がFitStarのアプリを紹介している。2014年3月には、AppleがFitStarを15の「必須」アプリのうちの1つとした。2014年9月には、AppleはHealthKitプラットフォームを発表し、HealthKitに初期対応した16の厳選アプリのうちの1つにFitStarを挙げた。『FitStar Personal Trainer』は現在、Apple App Storeで「スタッフのおすすめ」となっている。
Jawboneは先月、新しいオンラインストアを開設した際、FitStarのアプリを紹介している。開設当初、オンラインストアのヘルスケア部門でユーザーが購入できるアプリはJawboneの提携会社4つのみだったが、そのうちの1つがFitStar Premiumだった。今月、FitStar社はフィットネスウェアメーカーGaiam社と提携し、FitStarアプリの有料登録と、Gaiam社のヨガ・トレーニング用具の割引セット『fit kits』を発売した。
FitStarがAppleから強い注目を受けている一方、Fitbitは、活動トラッキングデバイスではもっとも有名ブランドであるにも関わらず、2014年からAppleとの関係はぎくしゃくしている。AppleがHealthKitプラットフォームを発表した1ヵ月後、Fitbitはカスタマー向けフィードバックフォーラムで、「今のところ、HealthKitと統合する計画はない」と発表した。その後まもなく、AppleはオンラインストアからFitbit製品を削除した。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』2015年2月27日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、Fitbitがフィットネスコーチングアプリの取得を検討しているというニュースです。なお先日、両社の交渉が合意に至ったニュースが報道され、Fitstarは正式にFitbitファミリーの一員になりました。
Fitbitは、フィットネス系ウェアラブル機器を提供し、米国では販売台数がそのカテゴリーで過半数を占めるほどのシェアを獲得しています。
そのFitbitはこれまでは機器、デバイスが中心で、アプリなどを含めたサービス部分を無料で提供してきましたが、最近ではFitbitデバイスのデータを活用したユーザーの目標をサポートするなどの有料サービスを開始しています。
ヘルスケアサービスの基本は「チェック&ソリューション」といった、計測(チェック)して見える化したら、そのための解決策(ソリューション)が提供されるのが基本的なサービスフレームだと考えています。
しかし、現在のヘルスケアサービスでは、いろいろなセンシングやICTの活用によって多くのチェック(計測)部分は可能になってきていますが、そのデータと連動するソリューション(解決策)の提案まで流れていないのが課題だと感じています。
いまのFitbitの動きを見ていると、これまで踏み込んでいなかったサービス(ソリューション)の強化に動き出してきているように感じています。
今回のニュースのフィットネスコーチングアプリFitStar取得の情報も、Fitbitのサービス(ソリューション)への本格的な動きとすれば、自然な流れではないかと感じます。
米国最大のダイエットアプリ『MyFitnessPal』も、昨年「コーチングサービス」提供の可能性に関して副社長がコメントしたりと、これまでデータの収集部分に注力してきたプレイヤーが、「データの活用」へとシフトしてサービス提供に踏み込んできています。
これまでは、機器やデバイス、そしてデータが戦いの主戦場になっていましたが、今後はサービス領域での戦いにも必らずなってきます。
その時のポイントは、ICTを活用したモバイルサービスであってもやはり「人」ではないかと私は考えています。
現在、米国のヘルスケアサービスで組み込まれてきている「コーチングサービス」は、まさにその流れを良く表わしていると思います。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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