『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“医師には今、患者に提供する健康アプリを選定するためのツールがある”
現在、運動やヘルスケアアプリは非常に多くの選択肢があり、この選択肢の多さは患者と医師を圧倒している。ほとんどの医師は、このようなアプリは健康維持にとって有益であると考えているが、現在市場に出ているアプリに関しては詳しくないため、自信を持って自分の患者に適した特定のアプリを勧めることができない。この点が『AppScript』の開発された理由だ。
『AppScript』は、Quantia社の『The Platform for Physician Engagement』とIMS Health社によって開発された。
このプラットフォームは、患者にとって最適なモバイルアプリとモバイル技術を専門家が評価して選択することをサポートするだけでなく、製品を通して患者に提供する医療行為が、責任と信頼のあるソースによって裏付けられているため、医師は安心して利用できる。
『AppScript』は、もしQuantiaがアメリカ中の医師の30%以上をユーザーとして登録させることができれば、ヘルスケアプリにとって非常に大きい影響を与えるかもしれない。
Quantiaの執行副社長Dan Malloy氏は、「QuantiaMDは患者にとってより正しい臨床的決定を、医師が下せるように作られています。今回『AppScript』と関われて非常に興奮しています。『AppScript』はアクティブな医師のコミュニティーに、信頼できる団体の裏付けのある、65,000以上のヘルスケアに特化したアプリに簡単にアクセスできるようにしています。また、我々の医師のコミュニティー、つまりモバイル端末から QuantiaMDにアクセスした半数以上の医師達が、『AppScript』の価値を正当に評価し、実際の臨床に導入して患者により良い医療を提供してくれるものと確信しています」と語った。
記事原文はこちら(『mHealthWatch.com』6月8日掲載)
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『mHealth Watch』の視点
海外のモバイルヘルスにおけるムーブメントのひとつとして、アプリなどの健康コンテンツを『情報薬』と位置付け、政府公認でお薦めアプリとして紹介されたり、医師から患者にアプリが処方される試みが行なわれてきました。
特に米国で注目を集めたのが、グレーター・ニューヨーク病院協会の非営利団体GNYHAベンチャーズが開発し、後に子会社化した『Happtique』でしょう。医療専門家に健康アプリ認定プログラム「App Certification」を整備し、医師がアプリを処方できるシステム「App Prescribing」などを提供してきました。『Happtique』は、β版段階から注目を集め、モバイルヘルスの規制に関する米国下院議員の公聴会にも参加していました。
現在はSocialWellth社に買収され、今年新たなサービスとして再スタートするようです。
『Happtique』と同じく、アプリを医療へ活用するシステムが『AppScript』です。すでに10万種類以上のアプリを『AppScript』から処方できます。処方されたアプリは、患者の利用状況を医師が把握できるため、生活習慣病の改善行動が本当に行なわれているかなど、確認していくのに役立っている、と聞きます。
モバイルヘルスの登場により、健康領域で培われたコンテンツ(アプリ)が、医療に役立つ状況が、今後加速的に進化していくと思われます。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ITヘルスケア学会 モバイルヘルスシンポジウムで講演を行う。
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