『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“WeightWatchersは、無料アプリ対策で何をしたか?”
先々月、Oprah Winfrey氏は、WeightWatchersとの間で、同社の10%を購入する契約を結んだ。この取引に関しては報道でも多く取り上げられたが、このようにWeightWatchersがスーパーセレブの支持を欲しがっているということは、無料モバイルアプリが、WeightWatcherを食ってしまう可能性を改めて認識させるものである。Winfrey氏のニュースの他にも、WeightWatchersは、過去1年にわたってさまざまな方法でこのプレッシャーに対応してきた。
1月のHealthTapレポートでは、WeightWatchers自体はモバイルアプリ競争で、最悪な状況ではないことが見て取れる。少なくとも、それほどひどくはない。Weight Watchersはいまだ、医師からの支持を得ている。HealthTapの報告によると、消費者向けiOSアプリのトップ3は、『MyFitnessPal』、『WeightWatchers』、そして『Lose It!』だった。また、Androidのランキングでは、『WeightWatchers』が1位で、2位が『White Noise Lite』、3位はここでも『Lose It!』だった。
その翌月、同社は体重管理プログラムを、HumanaVitality wellness platformを含むメンバー向けの様々なサービスに統合するために、Humanaと提携した。Humanaは現在、事業者提供の健康プランでメンバーが利用可能なプログラムを提供している。
そして4月、同社はWinfrey氏のニュース以外では、おそらく今年の最大の行動に出た。Weilosを買収したのである。Weilosは、自撮りで体重減少を記録する写真撮影アプリを提供する、フィットネスのスタートアップ。WeightWatchersは、「SNSにおける製品や技術の開発を加速させ、メンバーが求めているコミュニティー機能を加速させるために、Weilosを数百万ドルで買収した」とTechCrunchに語った。さらにその後すぐ、別の買収が行なわれた。買収されたHot5 Fitnessは、ビギナーからエキスパートまでのレベル別に、ヨガや有酸素運動、自重トレーニングなど、様々なワークアウトを含む5分間のムービーをユーザーに提供している。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』11月25日掲載)
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『mHealth Watch』の視点
米国最大規模のヘルスケアサービスを提供するWeightWatchersが、ここ数年利益が伸び悩んでいます。その最大の理由とされているのが、MyFitnessPalをはじめ、ヘルスケアアプリのほとんどが、無料で提供されているためです。無料アプリに有料サービスのWeightWatchersの市場が食われている状況なのです。
今回の記事ではこの1年の取り組みを取り上げています。2月のHumanaとの提携は、Humanaのプラットフォームを使ってBtoBでサービスを提供するため。4月のWeilos買収は、ダイエットのためのオンラインコミュニティー技術を強化するためでしょう。
WeightWatchersは、ダイエットセンターを長年運営してきたので、グループでのコミュニケーション力は高いと言えます。しかし、オンラインサービスは、基本的には個別対応のものでした。オンラインコミュニティーはまだこれからなのです。
昨年末よりスタートしたヘルスコーチングも個別サービスですが、この1年でコーチングによるメリット、デメリットも明確になってきたのではないでしょうか。
Noomをはじめ、ダイエット行動にグループコミュニティーが効果が出してきています。WeightWatchersが持つリアルでのコミュニケーション力を、オンラインで展開すると、すでにあるオンラインサービスとは一線を画するものになるでしょう。大いに期待したいと思います。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ITヘルスケア学会 モバイルヘルスシンポジウムで講演を行う。
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