『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Solera HealthとYes Health提携により、Solera Healthユーザーにモバイル糖尿病コーチングを提供”
アリゾナ州フェニックスに本拠を置くSolera Health社は、慢性疾患管理プログラムを市場に提供している。この度、同社はモバイル向け糖尿病予防プログラムを提供するYes Health社と提携した。
疾病対策センター(CDC)が認めるYes Healthのサービスは、糖尿病予防プログラムを網羅している。そのサービスは、2型糖尿病を発症する恐れのある患者を、個別の健康アドバイスはもちろんのこと、栄養とフィットネスのトラッキングを行ない、マンツーマンのコーチングを提供する。
アプリでは、栄養士、フィットネス・トレーナーまたは福祉の専門家から瞬時にコーチングが受けられる。患者であるユーザーたちは、スマホで写真を撮ることによって、リアルタイムで栄養や食事のフィードバックがもらえ、その回答のなかには役立つアドバイスがある。アプリはデジタル式体重計に接続できる。2017年1月にはFitbitをプログラムに追加するオプションが始まる。
10社のデジタルパートナーを有し、慢性疾患の予防管理のためにインテグレーターの役目を務めるSolera Healthは、完全なるモバイルアプローチのためにYes Healthを選んだ。Solera Healthは、最近Yes HealthとUCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)との共同研究にも魅力を感じている。UCSFは、2型糖尿病と糖尿病予備軍に関する研究においてYes Healthのユーザーデータを調査した。
「私たちは本当に、このリアルタイムのフィードバックが気に入りました。そこには、アプリを通してたくさんの接点があります」と、Solera HealthのCEOであるBrenda Schmidt氏は語った。「私たちの命題は、リアルタイムのフィードバックが鍵となるカスタマーエンゲージメントの維持を支えるだろうということです」
Solera HealthとYes Healthのパートナーシップにより、Yes Healthのコーチングやライフスタイルチェンジプラットフォームへのアクセスを拡大できるようになる。Schmidt氏は、「Yes Healthのサービスには、低価格や使いやすさ、思いやりのあるコーチのために、高いエンゲージメントがあります」と発言。
Yes Healthにとって、サービスを拡大する機会とニーズの両方がやってきた。Schmidt氏は、Soleraプログラムに加入している患者数を3,000万と見積もった。そして、Yes Healthの分析モデルは、各個人の具体的なニーズと好みに基づいて、積極的に最適なアプローチを割り出す。Solera HealthとYes Healthは、さらに多くのユーザーが、使いやすさとサービスの多さのためにYes Healthを選ぶことを期待している。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』2016年12月1日掲載)
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『mHealth Watch』の視点
AIは非常に興味深いです。早い段階で私たちは、最適な結果、減量、運動を達成する答えは、モバイルのプラットフォームを介した人間的な触れ合いとテクノロジーの組み合わせによるものである、と学びました。それは、人間的な触れ合い、あるいはテクノロジーの一方だけでは達成しません。プログラムの最初からAIを使っても、それほど効果はありません。そこで私たちは、人間の介入から始めます。4~10週間の期間で、ユーザーが信頼できる人、責任感があると感じる人の介入から始めます。その後AIが、リマインダーやお知らせのような作業のために使われ始めます」
特にヘルスケアサービスは、導入部が重要といわれます。アプリでは得てしてシンプルなもので提供したいと思ってしまいがちですが、このサービスではなにを達成すべきか? ユーザーに継続させるために必要な手順はなにか? を踏まえて、人とAIによるストーリーの開発が求められます。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ITヘルスケア学会 モバイルヘルスシンポジウムで講演を行う。
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