『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“LivongoとVoluntis、糖尿病管理プログラムの統合アプリを提供”
慢性疾患管理企業 Livongoは、フランスのパリを拠点とした医療機器のコンパニオンアプリを開発する企業Voluntisと提携し、2型糖尿病患者のためのインシュリン提供システムとアプリを統合するプログラムを発表。
会員は昨年末にFDAとCEマークの承認を受けた糖尿病管理アプリ『Voluntis’ Insulia』を使って、「Livongo for Diabetes Program」にアクセスできる。このアプリは、基礎インシュリン治療を受けている人のために計画されていて、処方箋が必要な医療機器に分類されている。
糖尿病プログラムの 「Livongo」は、スマートフォンに対応したスマート血糖測定器、糖尿病療養指導士へのアクセス、無制限の血糖値の記録機能で構成されている。バーチャルケアチームと接続しているクラウドを拠点とした測定器は、ユーザーのリアルタイムの血糖値とデータに基づいて、毎日24時間コーチングが受けられる。さらにこの測定器は無線更新機能も追加された。
LivongoのチーフメディカルオフィサーJennifer Schneider博士は、「糖尿病管理の3つの柱は、栄養、運動、医薬です。しかし、管理方法に関する正しい情報を持つことも必要不可欠です。『Insulia』と統合することによって、2型糖尿病の患者に、医薬品最適化のためのさらなる病識と助言が可能になり、糖尿病の管理がもっと容易になります」と述べた。
血糖値測定器と糖尿病管理アプリを連結した多くのアプリがあるが、処方箋が必要な医薬品管理の補助器具として開発されたアプリは、あまり一般的ではない。この範疇で類似した商品は、FDAの要求をクリアしているJohnson and Johnsonの子会社、LifeScanの血糖値監視システムとBlueStarが統合されたもの、WellDocのモバイル型糖尿病管理プラットフォーム、そして包括的にFDAとCEマークで承認されたOneDrop監視システム等がある。
記事原文はこちら(『mbihealthnews』2017年2月16日掲載)
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『mHealth Watch』の視点
米国医療シーンでは、生活習慣病にモバイルヘルスを活用する仕組みが当たり前になってきました。
その背景には、低所得者であってもスマートフォンの所有率が高いため、以前はキオスク端末などを設置しないとプログラムを提供できなかったものが、今では逆にスマートフォンでないと参加してくれない(利用率が上がらない)、とまで言われています。
もちろん、スマートフォンを使えばなんでも受け入れてくれるわけではありません。生活習慣病においても最大のポイントは、どう継続させるかです。
今回の糖尿病管理アプリ『Voluntis’ Insulia』には、血糖値計のデータ管理、処方箋が必要な医薬品管理といった、基本となる管理ツールだけでなく、データに基づいたコーチングを受けることができます。
糖尿病のようにロングテールで考えなければならない場合、データの管理をコツコツとやっていくのはハードルが高くなります。それ相当のモチベーションが必要になってきます。人は本来、そんなに続けるのは難しいものとの視点に立って、いつでも手をさしのべられる仕組みがあるかが、今後のモバイルサービスに必要な要素になる、と言えます。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ITヘルスケア学会 モバイルヘルスシンポジウムで講演を行う。
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