『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Garmin、最新のトラッカーではストレス度、フィットネス年齢を測定する”
ウェアラブル機器は今、分岐点に立っている。これまで多くの企業は、新しいセンサーとしゃれたデザインで、新世代のウェアラブル機器の差別化を図れたかもしれないが、今、消費者はそれ以上のものを求めている。それは、単に生活に寄り添うものではなく、生活の改善に役立つウェアラブル機器だ。
Garminが発表した新機器『vívosmart 3 activity tracker』は、このような目的のためにたくさんの新たな機能を誇っている。
Garminのワールドワイド販売を担当するDan Bartel副社長は、「健康に気を使っている顧客は、活動記録の意味についてより関心を持つようになっています」と発表の際に述べた。「例えば、データを見るのは好きだが、そのデータと自分の全体的な健康とは、どのように関係しているのか? というようなことです。 体力年齢とストレスレベルを教えてくれる新しい体力・健康監視ツールが付いているので、『vívosmart 3』はこうした疑問に答えます。本製品は、アクティビティトラッカー産業にとって大改革をもたらす機器なのです」。
新しく『vívosmart 3』がトラッキングできるのは、最大酸素摂取量(VO2 max)、体力年齢、ストレスの3つだ。VO2 Maxと体力年齢は、関連し合った測定基準であり、全体的な体力レベルが劣っているのか、それとも優れているのか、そして自分の体力年齢は何歳なのか、ということをユーザーに教えてくれる。こうした測定レベルは、ユーザーが運動することによって、変えることが可能だ。
ストレスは、心拍変動によって算出される、さらに活動レベルの情報が入ってくる。つまりユーザーのストレスが高まり過ぎると、有酸素運動が勧められる。そしてGarminの接続アプリで使えるストレスの長期的なタイムラインを利用して、ユーザーは自分の運動時以外の生活で、ストレスのレベルを設定するのに役立つ。
記事原文はこちら(『mbihealthnews』2017年4月12日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点
あれだけ騒がれたリストバンド型のフィットネストラッカーですが、世界的に見ても、話題になることも少なくなってきました。当然、流行り廃りはありますが、もっと根本的な要因もあります。
その要因は、
1)計測技術の新たな機能が出てきにくいこと。
2)計測の見える化で終わってしまい、健康課題の解決はユーザー任せになっていること。
3)ソリューションまで提供しても、一部のユーザーしか継続利用しないこと。
などが挙げられます。
実は、この3つの要因はすべて関連しています。どんなに新しい計測技術が出てきても、ユーザーの健康課題を解決してくれなければ、そのテクノロジーの価値は認められません。また、新テクノロジーを活かしたソリューションまで提供できたとしても、身に付けるデバイスを使ったサービスである以上、利用シーンの個別性が非常に高くなるので、大多数向けに準備したソリューションでは、一部のユーザーにしか響かない可能性が高まります。健康課題は個別性が高いのです。
Garminの新製品の発表はいかがだったでしょうか? 「どこかで聞いたことあるなぁ」と思った方もいるかもしれませんね!?
重要なのは3つの要因の関係です。Garminがそのあたりまで踏まえて取り組んでいるのか、実際に製品を見るのが楽しみです。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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