『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“『mHealth Watch』注目ニュース:医師向けのInstagram、『Figure 1』が1,000万ドル調達”
トロントを拠点に4年前に設立された、医師向けのInstagramと呼ばれる『Figure 1』を運営するFigure 1社は、シリーズBで1,000万ドルを調達した。
『Figure 1』は、医療関係者だけが登録できると思われているが、一般の人も閲覧できる。投稿のみ医療関係者に限られる。利用者の2/3が米国に住む医療関係者となる。
記事原文はこちら(『TechCrunch Japan』2017年6月15日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目ニュースとして取り上げるのは、医師向けのInstagram、医療関係者が登録するソーシャルネットワークに関してです。すでにニュースで紹介しましたが、共有したいポイントがありましたので再度紹介します。
医療関係者に限定したソーシャルネットワークは日本でも複数ありますが、今回のニュースの医療関係者が登録するソーシャルネットワーク『Figure 1』は、登録だけは誰でもできるということで、医療関係者以外でも情報の閲覧は登録さえすれば、だれでも可能です。
この点は、日本の医師向けのソーシャルネットワークとの違いのひとつだと思います。
しかし、医療関係者以外でも情報の閲覧は可能で、写真やコメント、情報を投稿できるのは医療関係者だけという制限を設けています。そのため、医療関係者は『Figure 1』内で情報の共有を活発に行ない、その情報を一般の人も閲覧しています。
日本での医療関係者に限定したソーシャルネットワークは、通常投稿も閲覧も医療関係者に限定し閉ざされた世界で、領域も限定されていると言えます。
『Figure 1』は、医療関係者同士の議論が活発に行なわれているのが、他のソーシャルネットワークとは異なる点のようで、その要因として、専門分野を絞り込まず、門戸を広げ、臨床検査技師から精神科医までさまざまな医療関係者が参加できる仕組みであり、また領域ごとにテキストのみのほうが投稿しやすかったりするケースにも対応している点など、参加する側にとっての細かい部分での使い勝手が良いようです。
また、ソーシャルネットワークというスタイルであっても、全員が事例や情報を投稿したいということではなく、投稿されている情報に価値を感じている一方で閲覧するだけで満足している医療関係者も存在していることを前提にしていることも、医療関係者を含めた登録者が増えていることにつながっている点なのではないかと思います。
ソーシャルネットワークサービス、コミュニティサービスでは、参加される人のサービスへの距離感は様々です。積極的に情報を提供したい人、また他の参加者との関わりを持ちたい人、逆に情報を見ているだけでも満足な人など、距離感や役割も異なります。
ソーシャルネットワークサービス、コミュニティサービスでは、距離感や役割はひとそれぞ異なることを前提に、それぞれの距離感や役割を尊重した関わり方、楽しみ方を提供できることがポイントになってきます。
ソーシャルネットワークサービス、コミュニティサービスでは、参加者を一括りに捉えず、様々な距離感や役割を想定した運用を想定して提供することが重要です。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。食コンディショニングアドバイザー。
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