『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“米生命保険会社John Hancook、Apple Watchを25ドルで提供するプログラムを発表”
米生命保険会社John Hancookが、顧客にApple Watch Series 3を25ドルで提供する『Vitality Program』を発表した。この保険は契約者が健康的な生活を送る(ことで将来に渡って契約を継続する)ため、Apple Watchを活用してもらおうというもの。
このプログラムを継続するには契約者はワークアウトをこなして「Active Point」を獲得していかなければならない。契約者は契約時に初期費用25ドルでApple Watch Series 3を受け取り、そこから2年間は1ヶ月あたり500ポイントの獲得が求められる。
しかも、この獲得ポイントに応じて、すでに契約している生命保険の料金にも一定の割引が適用されるとのこと。
ただし、もし獲得ポイントが規定に満たない場合は、Apple Watchの割引額が減らされ、追加の支払いが発生するのはこのプログラムの怖いところ。
記事原文はこちら(『Engadget Japanese』2017年10月24日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点
今回は米国の保険会社の取組みを紹介します。なんとApple Watch Series 3が25ドルで提供されるとのことです。
ご存知のようにSeries 3は最新モデルです。米国でも300ドル以上しますので、1/10以下の価格ということになります。新しいApple Watchを欲しいと思っていた人には、かなりの動機付けになるのではないでしょうか!? しかも、かなりの数がいそうです。
ちなみにAndroidユーザー、Apple Watchでなくてもよい人には、無料でFitbitのウェアラブルを提供してくれるそうです。
低価格で提供する分、毎月所定の運動量をこなさなければなりません。問題はこの“定期的な運動量”を、どう定義付けて当たり前の行動に結びつけることができるかです。
今までも歩数記録でインセンティブを得られるプログラムはたくさんありました。例えば、毎日1万歩達成すれば、日々ポイントが得られるサービスなどです。このサービスの課題は、平日も週末も関係なく1万歩を歩かなければならないことです。
歩数を記録している方ならわかると思いますが、平日は仕事の移動などをうまく使うことで歩くことができても、週末は半分も達成しないことがあります(逆の方もいますね)。最初は頑張って週末も歩くのですが、無理して取り組んでいると継続しにくくなります。
また、歩くのが手軽なはずと歩数記録プログラムに参加してみるも、自分の生活では自転車移動が多かったり、定期的に水泳をしている人など別の運動をしている場合、歩く時間をうまく作れなかったりします。これはこれで継続しにくくなります。
『Vitality Program』の場合、スマートウォッチであるApple Watchの特性を活かして、歩く、走る、泳ぐ、など計測可能な運動が複数用意され、自分で選ぶことができます。
健康行動は、取り組んでみて初めて気づくことも多いです。最初から特定のやり方と決めつけない仕組みが、継続的な行動につながります。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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