『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“AppleはEHR市場に参入するのか?”
Appleが最近取得した特許によって、モバイルヘルスケア監視デバイス、EHR、および医療データストレージ市場に参入する可能性があると憶測されている。
6月、Healthcare IT Newsは、AppleがiPhoneに健康に関する記録値を保存する仕組みを開発中と報じた。これを利用するとユーザーは健康診断結果、検査結果や、病院予約、その他のヘルスケアに関するデータを1ヵ所にまとめておき、簡単にアクセスできるようになる。
最近ではヘルスケアデータ以外のものも扱えるよう、より開発を進めている。例えば8月にAppleが取得した特許9723997 Bは、ユーザーが浴びた光線量をセンサーで検知して得たデータに基き、健康データを計算する電子デバイス。電子デバイスには、ユーザーのある身体部分に接触する電子接触子が内蔵されている。
さらに特許状の記載によると、「電子計測値を用いて心臓の機能や電子心電図データが計測され、“感情の状態”、“他の身体状況”、“体脂肪”、“血圧”のような健康データを示唆する皮膚の電流反応が計測される」としている。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』2017年11月22日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点
スマートフォンを提供するメーカーや通信キャリアは、かなり以前から医療や健康分野でのビジネスを模索してきました。Google HealthやMicrosoft HealthVaultなど、皆さんも2つや3つ程度思い出すものがあるのではないでしょうか?
Appleも医療・健康分野での模索は続けてきました。スマートウォッチであるApple Watchも、フィットネスの要素(健康分野)が高い、と言えるでしょう。
今回Appleが特許を取得したものは、電子心電図(ECG)が計測できるものです。ECGは、スマートフォンやスマートウォッチでは測るのは難しいため、別の仕組みが必要になります。
ただし、簡易的にECGが測れるものはすでにあります。今回ポイントとなるのは、
『“感情の状態”、“他の身体状況”、 “体脂肪”や“血圧”のような健康データを示唆する皮膚の電流反応』
このような複数の計測が一度にできることでしょう。
自宅療養中の重篤化患者には、複数の装置を揃えることも大変ですし、複数の装置で何度も計測することもかなりの負担になります。そのような負担が1つのモバイルツールで減少するのであれば、かなり魅力を感じます。
この電子デバイスが本当に製品化されるのかはまだわかりません。しかし、モバイルメーカーや通信キャリアには、このような1歩踏み込んでユーザーニーズに応える製品開発にトライしていただきたいと思います。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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