『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“マインドフルネス瞑想アプリは、ニセ瞑想アプリと同じ効果だった”
BMC心理学で最近発表された小規模の調査によると、ストレスレベルが高い場合、ガイド付き瞑想アプリを試しても効果的ではないかもしれない。
研究者は、マインドフルネス瞑想訓練を受けた参加者のグループを、同じアプリを通じて提供されるニセの瞑想訓練を行ったグループと比較すると、マインドフルネス、気質または批判的思考のスコアに有意差がないことが分かった。二重盲検法の過程では、マインドフルネス瞑想と擬似瞑想の両方のグループで、マインドフルネス性質と批判的思考スコアの有意な増加が観察されたと言われている。
研究者らは、「我々の結果は、ほとんどの結果について、基準線から追跡調査までに有意な変化があったが、特にマインドフルネスの実践に起因するものはないことを示した」と書いている。「気質上のマインドフル性を見ると、両条件からの参加者が、介入の終わりには、それぞれの面をより強く支持していることが分かる。これは、使用された手段に反応しないためであり、性質的マインドフルネスへのアクティブ制御条件の本質的にわずかな効果しかない可能性がある。または単に、マインドフルネス瞑想の低強度の誘導練習が、使用したニセの瞑想条件よりもマインドフルネス技術の訓練には効果的ではないということかもしれない」。
この調査は、特に大学生を対象とし、当初91人の参加者から構成されていたが、その後71人に追跡調査が行われた。この調査は、18〜65歳のアイルランド国立大学ゴールウェイ校の学生から構成されている。年齢の中央値は21歳をわずかに下回っており、女性が調査の男性数の2倍以上であった。
研究によると、実験グループには、マインドフルネスの概念、マインドフルネス薬物療法の実践的なヒント、ガイド付きボディスキャン瞑想の紹介に焦点を当てた初期セッションがあった。他のグループでは、参加者には指導付き呼吸に関する指示が与えられ、目を閉じて座るように指示された。この調査によると、演習は瞑想と呼ばれていたが、参加者は自分の身体や呼吸についての意識をどのようにコントロールするかについて指示されていなかった。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』2018年4月12日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
とてもそそられるタイトルでしたので注目ニュースにチョイスしました。
しかし!掲載内容からは違いがあまりわからず。。。(苦笑)
今回は、記事だけでは読め解けない部分も踏まえながらではありますが、メンタルへのアプローチについて書いてみたいと思います。
以前からメンタルヘルスに関して研究、指導している方々にヒアリングしてきましたが、共通点として思い出されるのが“気持ちの切り替え”というキーワードです。
働いている人の場合、仕事が終わった後の帰宅途中、さらには帰宅してからも、いつまでも仕事のことを考えている人はメンタル疾患になりやすい傾向があるようです。
仕事が終わったら、何かを切っ掛けに切り替えることが大切とのことです。体操をする、ウォーキングをするなどの健康行動もありますが、コーヒーを飲む、ゲームをするなど、その人が切り替えられれば、なんでもありとのことです。
“切り替わる”ことで次の行動に入る体勢を整えているとも言えます。「この後は楽しいことが待っている」と自己暗示にかけているのかもしれませんね。
記事にあるような実験に参加する際、「よい作用があるはず」と気持ちが入った状態で取り組めば、やっている最中に違和感がなければプラスに働きやすくなるでしょう。
これも切り替えの一つの効果と言えますので、入口でマインドセットできれば、違和感のないコンテンツを提供することでプラスに作用してしまっているのかもしれません。
メンタルは気持ちに作用するものです。アプローチしていくなら正しいだけではない、気持ちが動かされるサービス設計が求められます。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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