『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“ASUS、血圧が測れるヘルストラッカー『VivoWatch BP』を発表”
ASUSが台湾で開催中のCOMPUTEX TAIPEI 2018において、血圧を測定できるウェアラブル端末『VivoWatch BP』を発表しました。
オリジナルの「VivoWatch」は2015年に発表されており、低消費電力や紫外線計測、当時はまだ珍しかった24時間のリアルタイム心拍計測を特徴としたスマートウォッチでした。
その名前を受け継ぐ『VivoWatch BP』の最大の特徴は、血圧が測定できる点です。一般的に血圧を測る場合には、手首に膨張するベルト(カフ)を巻き、圧力をかけたり抜いたりしますが、『VivoWatch BP』では、ECG(心電図)センサーとPPG(光学)センサーの2つを組み合わせて血圧を測定します。
血圧の測定は、ディスプレイ横にあるセンサー部に指を15秒ほど押し付けるだけ。一般的な血圧計よりも手軽なため、日常的に血圧測定を行う必要がある高血圧症の人にとっては、負担がなく便利になりそうです。
アジアでは早ければ7月末にも発売される見込みです。価格は169ドル(約1万9000円)の予定。
記事原文はこちら(『engadget Japanese』2018年6月5日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
国内ではスマートフォンで有名なASUSですが、ウェアラブルデバイスの開発にも率先して取り組んでいます。
以前、Health App Labで紹介した「VivoWatch」のレビューでは、今では当たり前になってきた、脈拍を常時計測(約15分おき)をしながらも1週間充電を必要としないロングバッテリーを実現しました。しかもモノクロ表示ではありますが、常時全画面を表示してくれる優れモノです。
今回発表された『VivoWatch BP』は、「VivoWatch」の基本機能(活動量や睡眠ログなど)は引き継ぎ、新たにGPSを搭載しただけでなく、ECG(心電図)センサーとPPG(光学)センサー搭載で血圧測定も可能となり、フィットネストラッカーからヘルストラッカーへと進化しました。指をセンサーに接触させるだけと、血圧測定がとても簡易に行えます。
血圧測定を必要とする人は毎日定期的に測りましょう、と言われます。理想は起床時、昼食前、就寝前の1日3回ですが、据置型の計測器を使っている人は、ほぼ1日中家にいるような生活をしていないと計測できません。なかなか測り続けられないのが実態です。
『VivoWatch BP』なら、いつでもどこでも計測が可能になります。また、ただ計測したデータを蓄積するだけでなく、AIにより健康診断機能が用意され、どんな行動をした方がよいか、具体的なアドバイスも行えるようになっているようです。
ただチェックするだけでないソリューションまで含めた仕組みが、ついにウェアラブルデバイスで達成しました。AIの活用で本来あるべきヘルストラッカーの姿に近づいたと言えるでしょう。今から実物に触れることができるようになるのが楽しみです。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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