ここ数年、多くの革新的な企業が瞑想を簡単かつ気軽にできるよう設計された製品を市場に送り出してきた。そうした企業の一つMerlin Digital社は、ドバイを拠点とする電子機器・デジタル技術の会社である。同社はバーチャルリアリティ(以下VR)と心拍変動(以下HRV)を用いることで、よりリラックスし安定した状態を実現するのに役立つ瞑想用の機器『IntelliSense』を2016年にローンチした。
HRVは自律神経系の働きや身体のストレス反応を細かく写し出す。瞑想を行う人にリアルタイムのバイオフィードバックを提供する目的でバイオマーカーを利用するのは、現在同様の方法を取っている会社がUnyteやHeartMathなど数少ないことから、幾分ユニークであるといえる。
『IntelliSense』はHRVを使い、断続的な文字による指示を通して、そして時間の経過に合わせた息の循環の縁部分に色分けされたブロックの形で、パフォーマンスに関するリアルタイムのフィードバックをユーザーに提供する。この情報は、ユーザーが自身の精神状態を改善するのに役立つ。ユーザーの気分が落ち着いてくると、VR空間の視覚・聴覚面でも穏やかになる(風がやみ、鳥が飛び始め、さえずりが聞こえ、流れ星が見えるようになるなど)。全体的なことを言えばこのグラフィックは楽し気で落ち着くものだが、やや初歩的、非現実的な感じがする。ここ数年におけるVRの進歩を考えると、グラフィックはもっと質の高いものを私は予想していた。もう一つの欠点は、ユーザーが瞑想中に目を閉じたいと思ったときに音声による指示がないことである。
私たちは『IntelliSense』が目指すものを成し遂げられると信じている。ユーザーがリラックスし、集中した瞑想状態を獲得する方法を学ぶのに、同社はきっと役に立つだろう。ユーザーが瞑想の恩恵を得るのに役立つ3D VRやリアルタイムのフィードバックを活用するというアイデアは非常に面白い。しかし、アプリのデザインやグラフィックの質にはまだ改善の余地があると考えている。これらの要素は、この新しい市場で『IntelliSense』の競争力を高めるものになるからだ。
記事原文はこちら(『medGadget』2018年7月24日掲載)
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