『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“女性と家族の健康プラットフォーム『Maven』、2,700万ドルを獲得”
女性と子供を対象としたデジタルヘルスクリニックであるMaven Clinicは、Bシリーズにて2,700万ドルの追加資金を獲得した。このラウンドは、オーク・HC / FTによって、Spring Mountain Capital、14W、Women Foundersの出資を得て行われた。
女性やその家族とヘルスケア・プロバイダーの架け橋となっているこのデジタルヘルス・プラットフォームは、2014年に創設された。ユーザーはビデオチャットで診察を予約したり、医師、産婦人科医、助産師、セラピスト、栄養士などにメッセージを送ることができる。今回得た資金は、新しく始めた母乳輸送サービスを含む、復職サポートの拡大に充てられる。
Maven Clinicは、過去にも投資家から注目されている。2017年7月にSpring Mountain CapitalらからのシリーズA 資金調達で1,000万ドルを獲得した。直近の資金調達で、同社は4,200万ドルを得たと報じられている。
「女性によって創設された会社で、解決が困難な女性の健康に関する課題に取り組んでいるところは非常に少ないです。Mavenは、女性が仕事をするうえで必要なサポートを提供する、ヘルスケア・ソリューションの創造において素晴らしい実績を残しています。これからKateそしてMavenと共に、働く家族のための近代的なヘルスケアサービスの時代を迎え入れることを楽しみにしています」 とSequoiaのパートナーであるJess Lee氏は述べた。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』2018年9月26日掲載)
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『mHealth Watch』の視点!
Maven Clinicは家庭を持つ女性を健康面より支援する組織です。Maven Clinicのサポート範囲は、不妊症対策から、妊娠産後、復職のための育児支援までと、働きながら子供を持つ不安を解消するような支援を行なっています。
記事の中で米国では、産後復職する女性は半分程度に留まっているようですが、離婚率も高いことから、18歳以下の子供がいる家庭において主な(または唯一の)働き手が母親である割合は40%にも登るようです。これは大きな課題と言えるでしょう。
日本でも健康経営、働き方改革の観点から女性の支援として、男性を含めた育児休暇、育児しながらの復職支援などに取り組んでいる企業が増えています。
しかし、Maven Clinicが手がけるような不妊症の対策などは、個人の問題として捉えられ、企業自体が支援するような動きは見受けられません。
果たして、企業がそこまで踏み込むべきなのか?判断が難しいところでしょう。またそこまでやらないとならないものかとの意見もあるでしょう。ましてや「他社がやっているか自社でも取り組むべき」と決めるようなものでもありません。
このようなサービスは今後も登場してくるでしょう。新しい健康サポートが出てきたからと導入していては、いくら予算があっても足りません。まずは企業として今後を見据えてどうありたいのか、その姿になるためにどうような人材が必要なのか、その人材が望むパフォーマンスを発揮してもらうためにはどんなサポートが必要なのかを整理し、自社にとって必要と判断されたことに注力する必要があります。
企業における健康支援のあり方も、すでに次の段階に入っていると言えます。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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