かかりつけ医に1年間診てもらっていなかった患者が、脳卒中を起こした。主治医は患者のApple Watchが、問題の予兆となる不整脈を検知していたことに気づかなかった。この患者は、継続的に自分のデバイスから医師にデータを送っており、診療所がデータを確認して何か気になることがあれば警告してくれると思っていた。
一方医師はそのようには考えていなかった。医師は、患者のスマート ウォッチは患者自身の個人的な持ち物で、健康状態の推移をトラッキングするためのものだと考えていた。また、医師の診療所も情報は収集していたが、誰もあまり注意を払っていなかった。
驚いたことに、この患者は回復するとすぐに、医師の医療ミスに対して訴訟を起こし、医師は、患者に深刻な健康上の問題が発生する前に問題に気づき、患者に警告すべきだったと主張した。
これまでのところ、ウェアラブル端末による訴訟は発生していないが、多くの人はそれも時間の問題だと思っている。
Mayo Clinicの応用臨床インフォマティックス部門の医長(MD)であるKarl Poterack氏は、期待していることを明確にすべきだと述べている。「消費者向けデバイスを持った患者が『私の心拍数モニターや歩数計測機のデータが必要ではないですか』と医師に尋ねる状況に遭遇し始めています。このような場合、患者との話し合いが必要です。なぜなら、この種のデータに関しては、多くの医師が次のように言うことになるからです。『あなたが毎日何歩歩いたか教えていただけることは素晴らしいことですが、正直なところ、そのデータを持っていても治療の役に立つかどうかはわかりません』」
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記事原文はこちら(『Medscape』2019年10月22日掲載)
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