『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“調査:世界的なパンデミックによりデジタルヘルスが加速”
世界的なパンデミックによって、デジタル機器の採用を促進したことは明白である。 しかし、Accentureの新しい研究では、ロックダウン前には、こうしたツールの消費者の採用が実際には鈍化していたことを指摘し、デジタル健康業界は消費者の懸念を認識しなければならないと警告している。
「デジタルヘルスケアは加速しているが、2020年の研究のテーマは依然として適切であると理解される。消費者はヴァーチャルサービスに興味を持っているが、複雑なデジタルエクスペリエンスが彼等を遠ざけている」とレポートの著者は記述している。「プライバシー、セキュリティ、信頼に関する懸念が残っており、新しいツールやサービスを日常の臨床ワークフローに入れ込むことにも苦労している」
Accentureの調査によると、デジタルツールの消費者の採用は2018年の調査から落ち込んでいる。例えば、2018年の消費者調査では48%の回答者が健康を管理するためにスマートフォンまたはタブレットを使用していると報告したが、2020年の初めにその率は35%に低下した。 ウェアラブル機器の使用率も2018年の33%から2020年の初めには18%に低下している。
研究者たちは、若い世代の間で利用率が最も急激に低下したことを見つけている。例えば、スマートフォンアプリは、2018年に18〜34歳までの63%が利用していたが、2020年には50%に低下したことが指摘されている。
レポートでは、彼らの研究実施後、オンライン医療企業のアプリ採用が急増していることが確認されている。例えばAmwellは、2020年1〜3月にかけて、直接消費者向けオンライン医療アプリへのアクセス数が2,000%増加したと報告した。ただし、レポートでは、プライバシーの問題とデジタルの使いやすさの問題が、将来のユーザーの決定に影響を与える可能性があると報告されている。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』2020年9月3日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
海外に出遅れていた国内のオンライン診療、オンライン服薬指導が、COVID-19への対策として0410対応(COVID-19に対応した時限的な特例措置)が発出され、国内においても本格的にスタートすることとなりました。
すでに16,000以上の医療機関が導入をはじめたことからも、必要に迫られた現場が次々と動き出したと言えます。先日発表された「LINEドクター」もオンライン診療の裾野をさらに広げるのに貢献するでしょう。
記事にあるように、Amwellがアクセス数が2,000%増加したと言うことは、米国においても、今までオンラインによる医療を必要としてこなかった人にも、COVID-19により利用が増加し、その利便性からも利用者は増えていくのではないでしょうか?
また、記事前半では「デジタルツールはここ数年減少していた」とあります。その理由が「消費者はヴァーチャルサービスに興味を持っているが、複雑なデジタルエクスペリエンスが彼等を遠ざけている」とコメントされています。
多少複雑であっても、本当に必要な価値が提供されていれば利用されるでしょう。それはAmwellのオンライン医療が伸びていることからも、本当に必要なら使うと言えます。
ですので、デジタル機器やスマートフォンアプリは今の時代に向かなくなっている。などと考えてはいけないのです。提供すべき価値。この視点で現状に合わせて見直しをするときだと言えるでしょう。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、本質的健康経営の社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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