『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“調査:『Apple Watch』の推定出荷台数、前年同期比で75%の増加”
『Apple Watch』の出荷台数が2020年第3四半期(7~9月)には1,180万台となり、前年同期の680万台から75%近くも増えたとの推計が報告された。
このデータは調査会社IDCが発表したもの。Appleはデバイスごとの販売台数は公表していないため、あくまで推定の数字となる。
また統計調査データプラットフォームStatista(大手リサーチ企業Strategy Analyticsのデータに基づく)によると四半期の出荷台数はこれまで920万台を超えたことがないため、『Apple Watch』にとって1,180万台は新記録になるもようだ。
Appleは上記のように販売台数を公開していないが、先日の業績発表では前四半期にウェアラブル部門が79億ドルもの収益をもたらしたと明らかにした。
IDCの推計によれば、Apple Watchの手首装着ウェアラブル市場でのシェアは推定21.6%で、中国Xiaomiの推定24.5%に次ぐ2位となっている。このカテゴリにはハイエンドのスマートウォッチからXiaomiのMi Bandのような1万円以下のフィットネストラッカーも含まれていることを考えると、最安モデルのSeries 3でも2万円以上の『Apple Watch』がこれほどのシェアを占めているのは驚きと言える。
記事原文はこちら(『engadget Japanese』2020年12月4日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
数値が見えにくいApple製品に関する調査データです。推測であっても、規模感がわかることは目安になり、とてもありがたいことです。
記事の最後に、ウェアラブル市場の順位が記載されています。ウェアラブル市場は、今ではスマートウォッチとフィットネストラッカーの定義が曖昧になっているので、どちらも含んだものになっています。
Xiaomiは5年前から低価格で市場に参入しました。低価格の度合いも桁違いで、1/5〜1/10くらい安い設定です。フィットネストラッカーのブームがレイトマジョリティに入ったとき、その価格設定で市場に参入したため、一気にシェアを伸ばしました。
まったく別の戦略で展開しているのが『Apple Watch』です。スマートウォッチとして高額な価格設定のまま販売数を伸ばしています。
ここでスマートウォッチやフィットネストラッカーなどのウェアラブルでビジネスをしたい人が陥るのが、『Apple Watch』の機能に目がいってしまうことです。
確かに、医療に活用できるような機能まで導入していることは、技術的に素晴らしいことです。しかし、医療でも使える機能があるから、1,180万台も出荷できているわけではありません。
ビジネスの視点では、医療でも活用できる機能はあくまで付加価値と捉え、本当に人を惹き付けている理由は何かを解き明かしたとき、自身のビジネスに活かすことができるようになります。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、本質的健康経営の社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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