『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“白雪姫のあの鏡!?肌がわかるスマートミラー『Themis』”
女王「鏡よ鏡、国じゅうで一番美しい女はだれ?」
鏡「お妃さま、あなたが国じゅうで一番美しい」
という、白雪姫でお馴染みのあのやりとりが、いよいよスマートミラーとして実現するようだ。
フランスの企業が開発した『Themis』。デザイン・性能の両面で優れたプロダクトに贈られる、CES2021でInnovation Awardを受賞している。
鏡には、RGBカメラ、IR温度センサー、皮膚分析用のUVライトが搭載されており、鏡を覗くだけで、バイタルチェックから皮膚の分析まで、健康状態を毎日把握できる。
タッチ操作はもちろんのことながら、音声操作やジェスチャー操作も可能。鏡を見て身支度を整えながら、健康チェックも、お気に入りの動画再生なんかもできる。
毎日の鏡の前でのケアが、気軽な健康チェックにつながる時代が到来?
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
スマートミラーで検索してもらえればわかるように、けっこう前から国内外でそれなりの数が発表されています。今回紹介する『Themis』が、スマートミラー市場の中で際立った存在かと言うと、そんなことはありません。
では、なぜ取り上げたのか?
スマートミラーと言う新しい機能に踊らされてはいけない。ことを伝えたかったからなのです。
スマートミラーの多くは、現存するテクノロジーを組み合わすことで誕生しました。タブレットのように表示、操作できる画面にカメラで撮影した利用者を投影することで鏡に見立てています。
コンテンツとして、カメラで知り得た肌の状態、その他のデバイスと組み合わせたカラダの状態を知ることで、分析し、適切なアドバイスを行うと言うものです。
このように、技術的にできることから生まれた商品です。そして、できたものを元にお客さんを探しています。プロダクトアウト型の商品になります。このようなプロダクトアウト型の商品は、できてからお客さんを探すと、とても苦労することになります。
なぜなら、企画の段階で「あったら喜ばれる」レベルで進めてしまっているため、ほとんどがお金を払ってまで欲しいものにはならないのです。「タダなら使ってもいいです」で終わってしまいやすいのです。
トイレやバスルームなど、水回りのスマート化は、このようなことが起こりがちです。ビジネスで考えるなら「あったらいいな」ではなく「絶対欲しい!」まで持っていかなければなりません。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、本質的健康経営の社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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