『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“AliveCor、特許侵害により「Apple Watch」販売禁止を主張”
個人用心電図デバイスメーカーのAliveCorは、Apple Watchが同社の特許技術を侵害していると主張し、米国での販売禁止を求めた。同社が特許を有する3種類のデバイスについてAppleが特許を侵害したとして、米国国際貿易委員会にAppleを提訴したと発表した。
「訴状の提出は、Apple Watchでの心電測定機能や心拍分析機能などについてAliveCorの特許技術をAppleが意図的にコピーしたことや、心拍分析分野での競争相手としてAppleがAliveCorを排除しようとする取り組みに対して、AliveCorが行っている対応のうちの一つです」と同社は声明で述べた。
昨年12月、AliveCorは同様の特許侵害を主張してAppleを提訴している。この訴訟は、Apple Watch Series 4 以降に搭載されたツールが、AliveCorの保有する 3 種類の特許を侵害していると主張したものだった。
AliveCorは、個人向けの各種モバイル心電計を販売している。同社の主力製品である 『KardiaMobile』は1誘導の個人用心電計である。『KardiaMobile』は2017年にApple Watchのアドオンアクセサリーとして発売されたが、Apple独自の心電計機能が稼働した直後に販売を終了した。
最近では、心臓専門医が心臓の電気的活動を6つの異なる視点から診断することができる6誘導の個人用心電計『KardiaMobile 6L』についてFDA認可を取得した。
また、同社は「KardiaCare」と呼ばれるサブスクリプションサービスを開始している。「KardiaCare」に入会すると、心拍データの分析、リスク要因の監視、症状のトリガーの特定、ライフスタイルの変化による影響の測定といった一連の機能にアクセスすることが可能となる。
記事原文はこちら(『mobihealthnews 』2021年4月22日掲載)
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『mHealth Watch』の視点!
このようなデバイスの特許侵害による提訴は、もう珍しいものではなくなっているでしょう。
一時期はAliveCor商品を取り扱うほどの関係になっていたAppleが、同様の機能を自社商品に取り込んだら切り捨てる。裏切られたAliveCorが提訴する構図となったわけですが、感情としてはAliveCorの気持ちもわかります。
ただしビジネスの視点で考えると、Appleは特段間違ったことをしているとは思えません。むしろよく行われることだと思うのです。
例えば、スーパーマーケットやホームセンターなどにはプライベートブランド商品があります。それらはどうやって生まれたかと言うと、メーカー商品を仕入れて売り、最も売れる定番商品を見極めて、その定番商品を自社商品に置き換えているのです。
売れるかわからないものを開発するより、売れるものを商品化した方がビジネスは成立しやすいわけです。
これができるのは、お金を払ってくれるお客さんを集客できる立場だからです。
末端のお客さんを集めることができる企業が、今後のビジネスを有利にしていくのです。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、本質的健康経営の社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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