『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Noom、シリーズFの資金調達で5億4,000万ドルを獲得”
健康管理と減量のアプリを運営するNoomは、シリーズFの資金調達で5億4,000万ドルを獲得した。Silver LakeがOak HC/FT、Temasek、Novo Holdings、Sequoia Capital、RRE、Samsung Venturesが参加してラウンドをリードした。
これまでのところNoomは、ユーザーが減量したり、健康レベルを向上させることを助けることにフォーカスしてきた。そのため、ユーザーが自身の生活習慣を変えられるような行動療法を用いたツールを開発してきた。
ユーザーが『Noom Weight Loss Coach』をタップすると、それぞれの生活スタイルや好みを元に、専属のヘルスコーチをつけてくれる。スタートアップの時点ではAI機能も採用し、それぞれのユーザーにあったパーソナルな経験ができる仕組みになっている。
Noomは新たな資金を導入し、減量以外の分野にもフォーカスを拡大していきたいとしており、それにより、ストレスや不安、糖尿病、高血圧、睡眠を含めた様々な症状を取り扱いたいと考えている。
Noomの創設者の一人でありCEOのSaeju Jeong氏は、「ほとんどの人がより健康的な食事をし、より運動をし、ストレスを抱えずより良い睡眠を得たいと考えているが、そのような行動を変えることは容易ではありません。この戦略的な資金調達ラウンドは、多くの人が生活習慣を変えることでより健康的に生きていくことを手助けする当社が、このビジネスを確立して行く大きな機会を得ているということに、投資家の皆さんが自信を持っていると伺えることでもあります」と発言した。
「Noomが過去一年破竹の勢いで成長していることに、私自身とても力を与えられてきました。Silver Lake率いる幅広いベテラン投資家グループや新規役員メンバーが加わることで、テクノロジーとヘルスケアの両分野において見識や助言、関係性が正しく組み合わされ、我々が人々の行動を良い方面に変えるきっかけを作り、しいてはヘルスケアにおける変革的な結果を生み出し続けることができると考えています」と付け加えた。
記事原文はこちら(『mobihealthnews 』2021年5月25日掲載)
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『mHealth Watch』の視点!
日本でも展開するNoomの本国における大型投資のニュースです。
Noomは2008年に設立されました。モバイルヘルスの第一世代の1社です。スタート時はフィットネス、ダイエットアプリを展開していましたが、ダイエットに絞り、より継続効果の高いヘルスコーチングに注力したサービス設計となりました。
ウェルネス領域で活動してきましたが、2017年から医療へのアプローチがスタートしました。ダイエットで得た継続効果の高いヘルスコーチングサービスを、生活習慣病の領域に広げていったのです。
今回の資金調達は、より医療へのアプローチを加速させるものです。なぜなら、米国のデジタルヘルスにおいて、最もホットなテーマになっているからです。すでにLivongo HealthやOmada Healthなど競合がしのぎを削っていますが、サービサーはまだまだ不足している状況です。
Noomは、Livongo Healthなどが取り組むヘルスコーチングの手法を数年前から取り組んできています。ユーザーを継続行動させ、結果に導くための経験値は、一日の長があります。
Noomがどのように巻き返していくのか?動向を注目していきたいと思います。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、本質的健康経営の社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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