『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“調査:患者の多くはパンデミック後、対面ケアに戻ることを望んでいる”
HIMSSが実施した調査によると、患者の半数が過去1年間に遠隔診療を経験している一方で、大部分は通常の対面診療に戻りたいと答えた。実際、HIMSSの「State of Healthcare Report」によれば、60%の患者がコロナ禍前の方式に戻りたいと考えていることがわかった。
「通常の状態に戻りたいという気持ちは、全体に見られる感情です。コロナ禍による疲弊があり、患者は生活のあらゆる側面で平時の状態に戻りたがっているのです」とHIMSSのマーケットインテリジェンス担当ディレクターLauren Goodman氏は、イベントの中で述べた。
今回の調査は、2,062名の参加者を対象に2021年3月から2021年〜4月にかけて実施された。この調査には、過去12ヵ月以内に少なくとも1回の医療機関への受診した人が参加した。
調査によると、Z世代とミレニアル世代は遠隔診療に前向きな傾向が最も高く、ミレニアル世代の47%がパンデミック終息後に対面式よりも遠隔での診療を希望すると答えた。また、より若い世代の3/4近くが、遠隔診療を好む理由の一つとして「利便性」を挙げている。
沈黙の世代とベビーブーマー世代は、遠隔診療よりも対面診療を好む傾向が最も低いことがわかった。
現在、患者の間でもう一つ注目を集めている話題は、人工知能(AI)や機械学習(ML)を医療に活用すること。
「医療機関が個人の健康情報にアクセスできることについて質問したところ、50%の人が、あまりにも綿密に監視されていると感じていることがわかりました。しかし、医療におけるAI/MLのメリットをさまざまな側面から掘り下げると、患者方が個人データの共有を望む強い傾向が一貫して見られました」とGoodman氏は述べた。
今回の調査では、参加者がAI/MLについて具体的なユースケースを与えられると、より興味を持つことがわかった。Goodman氏によると、患者がAI/MLに興味を持つ主な理由は、症状のモニタリングや、より正確な診断だとした。
「医療におけるAI/MLの具体的なメリットを掘り下げると、患者は非常に肯定的になります。この技術については『それって私たちにどう役立つの?』という疑問が残っている側面が確かにあります」とGoodman氏は付け加えた。
記事原文はこちら(『mobihealthnews 』2021年6月15日掲載)
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『mHealth Watch』の視点!
日本に比べ、アメリカやヨーロッパなどの先進国は新型コロナワクチン接種が進み、長いこと禁止されてきた外食が解禁になるなど、今までのうっぷんを晴らすように、多くの人がアクティブに活動をはじめています。今回の医療機関の受診の仕方に関する要望でも、その傾向が見えてきました。
特に高齢の方は直接のコミュニケーションを求めるため、施設に直接通院することを求めています。それに対し、若い世代になるほど、このまま遠隔診療でよいと考えています。
アメリカの遠隔診療市場はこの1年で大きく伸ばしました。Teladoc Healthなど売上が1年で倍増しました。果たして新型コロナ収束後も、この好景気が続くのでしょうか?
当然、そのままと言うことはないでしょう。また新たな局面を迎えるにあたり、どのように仕掛けていくのかが重要になってきます。
これから求められる価値に、どう刺さるものを提供できるかが勝負になってくるでしょう。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、本質的健康経営の社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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