『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Amazon、プライム会員向けに月9ドルの医療サービス”
米Amazonは、プライム会員向けに月9ドルでオンラインでの医療相談や病院の診察、検査の予約などが行なえる新サービス『Amazon Health』をスタートする。
プライム会員向けに月9ドル、年99ドルで、24時間365日のオンデマンド・バーチャルケアや、全米に数百カ所あるOne Medicalの拠点での診察予約ができるサービス。Amazonが買収したOne Medicalと連携して実現しており、予約の手間や待ち時間などを削減しながら医療サービスを受けられる。「すぐに立ち寄れる検査」、「時間通りに始まる予約」などをアピールしている。
会員は風邪やインフルエンザ、皮膚の症状、アレルギーなどの一般的な問題に対して、迅速にケアを受けられる。また、One Medicalのアプリを使って、処方箋の管理やメッセージのやり取り、予約後のフォローアップなどに対応。ほとんどの保険会社の医療保険にも対応しているという。
記事原文はこちら(『Impress Watch』2023年11月9日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
mHealth Watchでも何度か取り上げてきましたが、ここ数年、Amazonはヘルスケアに力を入れています。ついにAmazonとしてプライマリケアを提供することとなりました。
プライマリケアとは “かかりつけ医” のことです。米国で医療を受けるには、どんな症状であれ、必ずかかりつけ医に診てもらってから専門医につないでもらうシステムとなっています。日本のように自由に病院を選べるものではないということです。
つまりプライマリケアは、患者の医療への入口です。ある意味、診てもらった後の行動は、最初に相談した医師の方針が反映されます。
Amazonは、その医療への入口を「プライム会員向けサービス」として押さえたことになります。これはかなりのインパクトなのではないでしょうか?
One Medicalの窓口は全米に数百カ所あり、リアルでもオンラインでも診てもらうことができます。それが24時間365日、会員契約すればいつでも診てもらえます。かなりの利便性になるのではないでしょうか。
現在、デジタルヘルスを活かしてビジネスを伸ばしていくためには、プライマリケアをどう取れるかが重要と言われています。
あとは現地で、Amazonが本格的に医療提供することへの違和感が持たれず、利便性を認められれば、デジタルヘルス活用における中心的存在の1社になる可能性があります。今後も注目です。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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