『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Sunnyside、健康的な飲酒習慣を築く支援のために1,150万ドルを確保”
米国の成人のうち約2/3が飲酒するが、3人に1人は飲酒量を減らそうとしている。先週シリーズA資金調達で1,150万ドルを集めたと発表したSunnyside社は、人々が飲酒を完全に断つことなく飲酒量を削減する支援をすることを目的としている。
このサンフランシスコに拠点を置くスタートアップは、消費者にアプリを提供している。Sunnysideのユーザーは年額99ドルで飲酒の追跡、目標の毎日のリマインダー、個人向けのアドバイス、アプリを使う他のユーザーとのコミュニティーサポート、1対1のピアサポートを利用できる。
「この取り組みは、アルコールとの関係を変えたいが、飲酒を完全に断ちたくはない人々にとって待望の選択肢を提供してくれます」とSunnysideのCEOで共同創業者のNick Allen氏はメールで語った。
資金を手にしたSunnysideは製品、ブランド、コミュニティーという3つの重要分野に重点を置くことを目指すとAllen氏は語った。同社は最近、フィットネス企業のStravaの元最高製品技術責任者のSteve Lloyd氏を雇用している。Lloyd氏はSunnysideでも同じ役職に就き、製品とエンジニアリングのチームを率いて、消費者に課題を提供する新機能や、会員に個人向けのコーチングを提供する「Sunny」というAI飲酒コーチを開発する。
同分野の他企業としてはSoberBuddy社やI Am Sober社などがあるが、それらは主としてアルコールの削減よりも禁酒に重点を置いている。
記事原文はこちら(『MedCity News』2023年11月22日掲載)
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『mHealth Watch』の視点!
現在、飲酒は喫煙と違い、程よく飲む分にはストレス発散効果など体によい点もあることは知られていますが、程よい量を越えると体に悪影響を与えることになります。
国内法人市場では、飲酒による影響として肝機能の低下、生活習慣病につながることが課題とされることが多いようです。
今回取り上げたSunnysideがアプローチするのは、アルコール依存症および予備群に向けたサービスとなりますので、そのまま国内市場に導入するものとは違うかもしれませんが、Sunnysideが取り組む視点「禁酒ではなく減らす」は重要と考えます。
お酒を適度に飲めるようになれば、プラスに働くわけですから、禁酒することでストレスが溜まりやすくなるより、遥かによいと言えるでしょう。
とは言え、飲酒することを容認する以上、ちょっとしたことで飲み過ぎてしまうことにもなり、とても難しい支援が要求されるでしょう。
しかし、節酒が実現できれば、禁酒よりチャレンジしてみたい人も増えるでしょう。
今後、どのような成果が出てくるのか、期待を込めて動向を見ていきたいと思います。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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