『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“調査:長期にわたる新型コロナウイルス感染症による米国死亡者は数千人”
新型コロナウイルス感染症はこれまでに米国だけで100万人以上の命を奪っているが、このウイルスが死因の少なくとも一部である死亡者はそれだけではない。急性感染を生き延びたものの、コロナ後遺症が引き起こす持続的な健康問題により数ヶ月後に死亡する米国人が、少数ではあるが増えているのだ。
コロナ後遺症に関する注目の多くは、時折、身体を衰弱させるほどの症状(正式な診断テストや標準的な治療法はない)が患者を襲うこと、そしてそれが生活の質に与える影響に集中してきた。しかし、米疾病予防管理センター(CDC)が発表した新しいデータは、コロナ後遺症が死をもたらす場合もあることを示している。
CDCによる新しい推計によると、パンデミック開始以降、5,000人以上の米国人がコロナ後遺症で死亡している。
CDCの死亡率統計責任者であるRobert Anderson博士は、2023年に発表された、死亡診断書においてコロナ後遺症を死因として正式に報告する方法についての指針は、今後コロナ後遺症による死亡者数をより正確に把握するのに役立つはずだと述べた。
「この指針によって、死亡診断書作成者がコロナ後遺症の影響をより良く認識し、適切な場合にはコロナ後遺症を死因として報告するようになることを期待している」とAnderson博士は話した。「とはいえ、この指針が今の傾向に劇的な影響を与えるとは考えていない」
コロナ後遺症の標準的な定義や診断テストは存在しない。一般的には、急性感染から少なくとも3ヵ月後に、罹患前にはなかった症状が現れた場合にコロナ後遺症と診断される。CDCによる2023年9月の推計によると、昨年末時点で、米国の成人の約7%が何らかの時点でコロナ後遺症を経験している。
CDCによる新しい死亡者数推計は、コロナ後遺症が依然として公衆衛生上の重大な脅威であることを示すとともに、(パンデミックがもはや世界的な健康危機とは見なされていないとしても)今後数年間で増加する可能性が高いことを示していると専門家らは指摘している。
例えば、死亡診断書のデータは以下のことを示している。新型コロナウイルス感染症は2020年と2021年には米国人の死因の第3位、2023年には第4位であった。
記事原文はこちら(『Medscape』2024年1月3日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
日本国内においても、2023年5月に5類感染症に位置づけられたことで、あれだけ毎日報道されていた新型コロナに関するニュースがほぼ見られなくなりました。
ただニュースに取り上げられないだけで、世の中から新型コロナウイルスが死滅したわけではなく、現在も新たな変異株がいくつかの国で流行の兆しを示していることが報告されています。
これだけ海外渡航が自由となり、海外から多くの観光客が来ている状況からも、日本国内でもいつ変異株が流行してもおかしくない状況です。
また新型コロナの後遺症に関して報道されなくなったことも気になるところです。
今回取り上げた米国の状況からも、新型コロナ後遺症は簡単に片付けられることではないことがわかります。
現在、私の周りでは重篤な後遺症に苦しんでいる話しは聞きませんが、発症から数ヶ月経った今でも、生活に支障はないが、煩わしい症状がいまだに発生すると言った話しは何人かから聞いています。
流行が過ぎた今、新型コロナの存在など忘れてしまいたい気持ちは私にもあります。ですが、すべてがなくなったわけではなく、いつ再流行があるかもしれない状況に対して、常に最低限の予防策が取れるような意識付けをし続ける必要があります。
ヘルスケア業界に携わるものとして、皆で意識的に取り組めることが望ましいのではないでしょうか。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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