『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
===========================================
“CostcoとSesame、減量パートナーシップ・プログラムを拡大”
Costcoは、米国50州すべての会員に包括的な減量サービスを179ドルからの3か月サブスクリプションで提供することで、ヘルスケアの拠点を拡大している。
このプログラムはデジタルヘルスケアマーケットプレイス/社を通じて運営されており、昨年9月に初めて発表されたCostcoと新興企業とのパートナーシップの拡大を表している。
Sesameのヘルスケアマーケットプレイスは全米の外来医療機関と消費者をつなげて、コスト削減、透明性のある価格体系の確保、ヘルスケアへの迅速なアクセスの提供に注力している。
このマーケットプレイスにはプライマリケアの医師や専門家、研究所、イメージングセンターが含まれており、バーチャルと対面両方のケアを提供している。
拡大した提携にはオプションとして、減量専門の医師または専門家とのビデオ相談、処方箋承認のための保険の調整、無制限のメッセージ、栄養、運動指導サポートが含まれる。
薬の費用と必要となる臨床検査の費用はプログラムの価格に含まれていない。 このプログラムの主要な特徴としては、Ozempic、Mounjaro、Wegovy、ZepboundといったGLP-1クラスのオプションなどの減量薬を処方できる臨床医のチームへのアクセスが挙げられる。
このプログラムを通して処方箋を貰ったCostco会員はCostcoの薬局で薬を調剤してもらうことができる。
GLP-1医薬の処方箋は臨床的にふさわしい患者にのみ提供され、CostcoとSesameの合同発表では、選ばれた薬局でのこうした薬剤の在庫は供給上の制約に左右されると述べられている。
2023年9月、CostcoとSesameはCostco会員向けの提携サービスを開始し、Sesameのマーケットプレイスを通して手頃なヘルスケアサービスへのアクセスを提供し始めた。このサービスには29ドルからのバーチャル・プライマリケア、72ドルの臨床検査を含む包括的な健康診断、79ドルで利用できるバーチャル・メンタルヘルスセラピーのセッションが含まれる。
2021年、Sesameは薬局と遠隔医療サービスを提供するデジタル医療プラットフォームであるTruepillと組んで、SesameRxというオンライン薬局を立ち上げた。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』2024年4月9日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
============================================
『mHealth Watch』の視点!
ここのところ米国のデジタルヘルスでは、異業種からの参入が激しさを増しています。
何度も紹介したものではAmazonがあります。元々はヘルスケアとはまったく関係のない企業です。さらに異業種としては家電量販店のBest Buyの参入が挙げられます。Costcoの参入は、これら異業種大手の参入に並ぶものでしょう。
CostcoのアプローチはAmazonに近い印象です。Sesameが提供する医療サービスを活用し、プライマリケアを皮切りに自社薬局につないでいます。さらに今話題のGLP-1を活用した減量支援を打ち出してきました。
この動きは新たな医療規制、保険制度、そして変わりゆくユーザーのニーズをうまく捉えた仕掛けとなっています。
今後、日本でもかなり近い動きが展開されるでしょう。これら先行事例はとても参考になるので、追いかけていくべきと思います。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
Comments are closed.