スイスのヘルスケアテクノロジー企業Aktiiaは、スマートウォッチとスマートフォンのカメラに一般的に内蔵されている光学センサーからのインプットを利用して、血圧データが収集することができるキャリブレーション不要の技術『CALFREE』で欧州のCEマークを取得した。
Aktiiaの『CALFREE』技術の承認は、スマートウォッチやスマートフォンのカメラなどの消費者向けデバイスを開発するサードパーティ企業へ、医療機器クラスの光学式血圧モニタリングの統合を供給することを可能にする。
「この分野で大きな変革となる。あらゆるスマートフォンを、当社のモデルに光学センサーからのシグナルを与え、また、あらゆるスマートフォンをユーザーがカメラに指をおくことにより、当社のモデルにカメラからのシグナルを与えることで、医療機器クラスの光学式血圧モニタリング器に変換することができる技術を習得したことを示す。」 AktiiaのCTOであり共同設立者のJosep Sola氏がMobiHealthNewsにメールで語った。
記事原文はこちら(『MobiHealthNews』2024年6月12日掲載)
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『mHealth Watch』の視点!
血圧を測定することができるスマートウォッチは数多く出回っていますが、そのほとんどが医療機器認定を受けていない、本来は血圧測定と言ってはいけないような製品です。
そんな中、腕に装着しているスマートウォッチに限らず、一般的なスマートフォンのカメラに指を当てるだけで血圧測定を行い、それが欧州で正式に医療機器として認可されることとなりました。
多くの企業が血圧と血糖値測定を、なんとかスマートウォッチ、スマートフォンで計測し認可を得るために研究を重ねています。Aktiiaはついにその難関を突破したことになります。
Aktiiaは元々手首に装着して血圧測定(その他心拍、活動量、睡眠など)できるデバイスを提供していました。『CALFREE』は自社提供するデバイスと違い、スマートウォッチ、スマートフォンを提供する企業にBtoBで販売することになり、ビジネスモデルも大きく変わっていきます。
ビジネスの可能性が大いに広がる代わりに、他社に真似されるリスクも増加します。ここで次なる手をどう打つかで勝敗が分かれると思っています。
それは計測で終わらない、継続活用したくなるソリューションの提供です。利用者が自ら改善しようと思わなければ、日々の測定も行ってもらえません。
技術系企業がヘルスケア領域で革新的なテクノロジーを開発することができた後、必ずぶち当たる壁だと思っています。今後、Aktiiaの次の打ち手を期待して見ていきたいと思います。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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